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IT部門と事業部門の共同でビッグデータ活用に取り組め――米ガートナーリサーチ ジェイミー・ポプキン氏

「ガートナー ビジネス・インテリジェンス&情報活用サミット2012」レポート

いまや多くの企業が注目するビッグデータ。すでに先進的な企業の中にはビッグデータ分析により、競争力を発揮している企業も登場している。ビッグデータ分析の導入をどのように進めていけばいいのか。7月12日に開催された「ガートナー ビジネス・インテリジェンス&情報活用サミット2012」で米ガートナー リサーチ バイスプレジデントのジェイミー・ポプキン氏が語った。

高まるデータの複雑性とより知的な分析の必要性

 「ビッグデータ分析を早期に導入することで、企業は競争優位を手に入れられる」──セッション冒頭でこう切り出し、ジェイミー・ポプキン氏は「ビッグデータの全体像」について解説した。

写真:米ガートナー リサーチ バイスプレジデントのジェイミー・ポプキン氏

 近年、企業ではトランザクションデータに加え、非構造化データ、生産設備のデータ、さらにはTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアのデータ、コンテキストデータなどの新しい形態の情報を活用し、ビジネス上の意思決定を支援するパターンを模索する企業が増えている。また、こうしたパターン・ベース・ストラテジ(PBS)を実現している先進的な企業においては、既存のビッグデータ活用よりさらに一歩進んだエクストリーム情報管理を考慮に入れている企業も登場しているとポプキン氏は語る。

 ではなぜ、ビッグデータがそれほどまでに注目を集めるのか。まずは企業が扱うデータ量が「40%を超える成長率」(ポプキン氏)で増大していることだ。ダークデータ(コンプライアンスのために保存され使われなくなっているデータ)やセンサーによって取得されたデータ、非構造化コンテンツなどを収集し、分析に使うようになったからだ。

 例えば小売業者ではWebサイトでのインタラクション、ポイントカード、POSなどのデータ、ヘルスケア業界では紙ベースからデジタル化への移行、科学分野では大陸規模でネットワークを構築し観測プロジェクトを実施したりしている。「量に注目が集まりがちだが、それはひとつの側面にすぎない」(ポプキン氏)。

 ソーシャルメディアなどの非構造化データやクイックストリームを活用し、人間およびシステムのインタラクションデータを利用した「振舞分析」など、データおよびデータ分析の複雑性が増している。

 「分析モデルも変化している。これまでの高度なアルゴリズムと少量のデータの組み合わせよりも、単純なアルゴリズムと大量のデータの組み合わせのほうが妥当性は高い。従来の分析ではなく、より知的な分析が求められている」(ポプキン氏)。

HadoopやRがビッグデータソリューションとして進化

  またもうひとつ、ビッグデータに注目が集まる理由がある。それはオープンソース・ソフトウェアが企業に受け入れ始めており、HadoopやRをはじめとするオープンソース・プロジェクトがビッグデータのソリューションとして進化しているからだ。

 「10年前はオープンソースというと、企業は信頼できないものとして導入を検討することもなかった。しかし今は違う。例えば米国のリサーチサービスプロバイダ、レクシスネクシスは従来のビッグデータ分析プラットフォームをオープンソース化。同社のように知的財産という大事なシステムにもオープンソースが採用され始めている。時代は変わった」(ポプキン氏)。

 もちろんオープンソースは、まだまだ「採用するにはある程度の注意は必要」(ポプキン氏)だが、レッドハットやクラウデラという付加価値ベンダーの存在もあり、信頼度は向上し、「データ分析基盤の構築にオープンソース・プロジェクトは欠かせない」(ポプキン氏)。

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ビッグデータ分析は「戦略的な意思決定」が重要

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

教育大学卒業後、大手化学メーカーに入社。その後、ビジネスや技術に関する専門雑誌や書籍を発行する出版社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランスライターとして独立。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/4126 2012/07/31 07:00

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