Fusion-ioも登場!「DB Online Day」9月11日開催!
ストレージが早くなればサーバーの稼動率が上がりコストも削減できる
増え続けるデータを効率的に処理できれば、データセンターのコストを大幅に削減できる可能性がある。たとえば、データセンターにあるサーバー群、たくさんあるサーバーの稼動率は平均すると20%程度と言われている。稼動率を上げられれば、サーバー数が減らせ、それに伴うソフトウェアライセンスや設置スペース、当然ながら電力や光熱費が削減できる。
サーバーの効率を上げるために仮想化技術を活用する話を、数年前からよく耳にするようになった。仮想化を利用すれば確かにサーバーの稼動率は向上させられるだろう。しかし、それでもまだビッグデータを処理する場合は、うまくいかないこともある。
その原因となるのが、CPUのパフォーマンスがムーアの法則で著しく向上するのに対し、ビッグデータを格納するストレージ処理能力がそれに追いついていないこと。このCPUとストレージの性能ギャップが、大量データを処理する際の大きなボトルネックとなる。
「このパフォーマンスのギャップを埋めるのが、Fusion-ioのテクノロジーです」と語るのは、フラッシュメモリ技術を活用する次世代ストレージメモリー製品を提供するFusion-ioのCTO、ニール・カーソン氏。
Fusion-ioは、新しいストレージ技術を提供する、いま注目のベンダーだ。創業者はデイビッド・フリン、リック・ホワイトの2氏、2006年に起業し2008年に最初の製品を市場に提供した。その製品で、世界初の100万IOPSを達成している。IBMやHP、DELLなど、名だたるハードウェアベンダーとの協業などにより、急激にビジネスを拡大している。また、Appleの共同設立者の1人だったスティーブ・ウォズニアック氏が、同社のチーフ・サイエンティストとして参画していることでもFusion-ioは注目されている。
カーソン氏は、「サーバーのCPUの稼動率が100%になることを目指せるのが、Fusion-ioの技術です」と言う。常に100%に近い稼動率でサーバーを運用できれば、それだけでサーバーの数を1/10まで減らせた事例もあるとのこと。この稼動率を高めるには、従来のハードディスク型のSANストレージなどでは、なかなかうまくいかない。性能差が大きいので、どうしてもCPUではストレージからデータを取得する際に待ち時間が発生してしまうためだ。
Fusion-ioのストレージは、一般のストレージよりもCPUの中にあるキャッシュメモリやメモリであるDRAMに近いところに位置する。一般のストレージがミリセカンドのオーダーであれば、Fusion-ioのioMemoryはマイクロセカンドの世界にあるとのこと。このioMemoryの活用により、海外だけでなく国内でも大幅にサーバーを削減し効率的なシステム環境を実現している例が出てきている。
サイバーエージェントでは、以前は96台の独自構成のサーバーを用い、サービスのアメーバピグを提供していた。96台ものサーバーがあると「度々どこかでなんらかの問題が発生していたそうです。そのため、故障したハードウェアを入れ替えサーバーをリブートする際にも、ストレージからメモリにデータが載るまでの時間がかなりかかっていたそうです」とフュージョンアイオー株式会社セールス マネージャー ジャパンの秋山 泉氏は言う。
サイバーエージェントでは、このシステムをMySQLとFusion-ioのioDrive Duoを活用した8台構成のサーバー環境に移行した。この8台は冗長構成を取っているので、サービス提供時に実際に使用されているのはたった4台のサーバーだ。大幅にサーバー台数を減らしても、かつての3倍以上のアクセスに対し余裕を持った運用ができているとのこと。「これだけサーバー数を減らすことができれば、必要なソフトウェアライセンスを圧縮できるし、当然ながら電力や光熱費も大きく抑えることができます」と秋山氏は、Fusion-ioの技術の効果を説明する。