「リーンスタートアップ」、「顧客開発モデル」などの起業家手法が、話題となっています。そして、ベンチャー企業だけではなく、大手企業の新規事業開発の場面でも、これらの起業家手法が使われ始めています。 翔泳社発行「ビズジェネ」では、WEBサイトの公開を記念して、新規事業開発、ビジネススタートアップのバイブル『アントレプレナーの教科書』(スティーブ・ブランク著・堤孝志、他訳)のダイジェスト版(PDFデータ)を、アンケートにお答え頂いた方に漏れ無く、プレゼント致します。
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新規事業とノウハウの関係とは?
新規事業開発と一口に言っても、企業におけるチャレンジは様々です。既存の製品群で海外進出、海外合弁を目指す場合も新規事業と言えますし、既存のユーザに対して新たな付加価値の提供を開始することも新規事業だと言えます。
しかし、スティーブ・ブランクの『アントレプレナーの教科書』にも記述されている通り、最もリスクが高く、かつリターンが大きいのは新規市場に対して新規製品を投入するという組み合わせの新規事業開発です。
言い換えると、リーンスタートアップはその製品・サービスの登場により、既存の事業会社がマーケットから追い出されてしまうような事業の創造をターゲットにしています。iPhoneの登場により、日本のコンテンツ事業者もハードウェアメーカーも大きく事業方針を変更せざるを得ませんでした。こうした事業領域こそが、リーンスタートアップが最も必要とされる領域なのです。
こうした領域で事業を成立させることは簡単ではありません。まだマーケットは存在していませんし、そのマーケットを満足させる製品・サービスについてもノウハウが全くないからです。
例えば、紹介手数料が無料の不動産サービスがあれば、より多くのユーザにメリットが生じるのは誰もが理解できますが、事業として成立させるためには、誰からどのように収益を確保し、誰にどのような価値を保証すればいいのかは、実験を通じてしか学べないのです。
だからこの領域で新規事業開発を行うには、どうせ外れるであろう「計画」よりも、外れることを前提とした「実験」の方が相性としてはいいのです。スタート時点から失敗の「学び」を前提として事業開発を進めることで、これから「創造」していくマーケットに対する知識は圧倒的に高まります。多くのスタートアップがチャレンジしているCtoCのビジネスモデルなどはその典型です。