OLTPやKey-Valueは得意じゃないけどアドホック分析なら任せろ
Calpont社のビジネスの中核に据えられているInfiniDBは、カラムナー型アーキテクチャを持つ分析用途に特化したデータベースだ。大規模、あるいはハイパフォーマンスを要求される領域に向いている。2010年2月にバージョン1の提供が始まり、現在のバージョンは3まで更新されている。「いわゆるアドホック分析に向いているアーキテクチャです。なので、OLTPやKey-Value型が得意とするような処理には向いていません」とダン氏。
得意でないところを明確に示してみせるところは、なんだか潔さすら感じる。もちろん、ビッグデータ分析はInfiniDBの主要なターゲット。とはいえ、Key-Value型でのデータハンドリングはできないので、Key-Value型データを扱いたければHadoopと連携させて利用する。このHadoopとのコネクティビティを持っていることも、InfiniDBの特長の1つだという。
利用形態としては、旧来のデータウェアハウスのセントラルデータベースのように、Hadoopを含むさまざまなデータソースからETLツールなどを用いInfiniDBにデータを統合し分析を行う形がとれる。また、特定のデータソースのデータをInfiniDBに取り込んでそれをAnalytic Data Storeとし、BIツールなどを使ってアドホック分析を行うという使い方も可能だ。
市場に出てからまだ2年ほどの時間しか経過していないが、すでに海外では多くの実績があるとのこと。とくにオンラインメディア、通信、小売り、Eコマースといった業種の企業が多いとか。技術的には前出のようにリアルタイムなアドホック分析だが、その際にはサマリーデータではなくより粒度の細かい明細データを対象に処理できるのがもっとも大きな特長。なので、利用者はシステムアーキテクトやデータサイエンティスト、ビジネスアナリストなどが多い。