製品の信頼性だけでなく開発元企業の安定性も重視
もちろん、DTSはただ単にサポートが熱血だったからHiRDBを採用したというわけではない。組み込み専用に開発されたデータベースエンジンに比べれば、HiRDBはもともとミッションクリティカルな基幹系システム向けに開発された製品だけあり、信頼性やスケーラビリティの面では桁違いのスペックを持つ。そのため、「今まで、デフォルトの組み込みデータベースエンジンでは対応できなかった大規模な環境でも、HiRDBなら問題なく対応できるようになる」(須田さん)という。
と、それにも増して須田さんが強調するのが、開発元ベンダーの「会社としての安定性」だ。
「日立のような国内の大手メーカーなら、モノを扱っているときの安心感が全然違いますね。ある日突然に、契約内容が変わったり、企業が買収されてしまったりというような心配事が少なくて済みますから」
これって、パッケージ製品を使った開発ではどうしても避けられないリスクだし、実際に痛い目に遭ってる人もホント多い。こうしたリスクを極小化するために国産ベンダーの製品を選ぶというのは、リスクヘッジという点では合理的な選択肢なのかもしれない。
ちなみにDTSは、以前から自社ビジネスにおいても「国産」へのこだわりがとても強いのだそう。
「文化的背景の違いもあり、外資系ベンダーのBIツールで『どこをどう触ればいいのか、すぐに見当が付かない』と仰るユーザーもいます。その点、データスタジオ@WEBは一から日本人が設計・開発しているので、日本のユーザーが自然と入っていけるような使いやすさがあります。こうした国産製品ならではの良さや技術力の高さは、国内のユーザーにはもちろんのことですが、今後は海外にももっとアピールしていければいいなと考えています」
そういう意味だと、これまではその内部に外資系製品を抱え込んでいたデータスタジオ@WEBも、HiRDB版をラインアップしたことで晴れて「純国産」製品が登場したわけだ。こうした日の丸IT製品が、いずれは世界で脚光を浴びる日が来るのだろうか。いや、ぜひ近い将来に来てほしい!
さて、これまで日立のデータベース開発者(中の人)、そしてユーザ(外の人)からの評価を聞いてきた。しかし、ここまでを振り返ってみると、日立は似たようなデータベース製品を複数ラインナップしているようにも見える。これまでの記事でも、日立が2つのリレーショナルデータベースを提供しているのを紹介してきたが、その違いがイマイチ見えてこない。そこを聞いておかないとマズイってことで、次回はこの辺りを掘り下げてみるぞ!