「テレワーク」という働き方、その実態とは?
「テレワーク」。最近よく耳にする言葉だが、アベノミクスの成長戦略にもたびたび登場している。しかし、「正しく理解している人はまだまだ少ない」と株式会社テレワークマネジメント 代表取締役の田澤由利氏は述べる。
テレワークとは、離れたところで働くことであり、ITを活用し場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を指す。これには定義があり、国土交通省のサイトには、「普段収入を伴う仕事を行っている人の中で、仕事でICTを利用している人かつ、自分の所属する部署のある場所以外で、ICTを利用できる環境において仕事を行う時間が1週間あたり8時間以上である人」という記述がある。
週に8時間以上というのは、たとえば土日も含めて毎日1時間程度、自宅や社外などでメールなどの処理をする人もテレワークしていることになる。田澤氏の分類では、雇用されて働く「雇用型テレワーク」と、雇用されていない「自営型テレワーク」の2つに大きく分かれる。さらに、ITを使いさまざまな場所を移動しながら仕事する「モバイル型テレワーク」、移動せずに自宅で仕事をする「在宅型テレワーク」にも分類でき、それぞれの組み合わせで4分類となる。
この日の話題の中心は、雇用型テレワークについて。いわゆる企業の従業員がテレワークの形で働くものだ。田澤氏は、テレワークの効果として「企業側には生産性向上、ワークライフバランス、人材確保、障害者雇用、BCP(事業継続計画)など、働く人には通勤時間の削減、居住地の選択、病気やけがの対策、介護との両立など様々な効果がある」と説明する。これらの効果を期待し、安倍政権の政策の様々なところで「テレワーク」という働き方を推進しているのだ。
2013年4月に発表された国土交通省の調査結果では、働く人の21.3%がテレワーカーであり、在宅型テレワーカーが930万人いるという。この在宅型テレワーカーは、「自宅(自宅兼事務所を除く)でICTを利用できる環境において仕事を少しでも行っている(週1分以上)人」が含まれているため、930万人という数になっている。とはいえ、確実にテレワークを行う人の割合が増加しているのは事実だ。
「女性が活躍する会社がテレワークを活用しています。育児休業や時短は当たり前で、その際に在宅勤務を活用しているのです。IT企業はもちろん様々な企業が、在宅勤務制度を取り入れています」(田澤氏)