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“日本人はチームワークが得意”という常識の嘘―「高業績チーム」の知恵とイノベーションの関係

(第12回)イノベーションに効く洋書05:“The Wisdom of Teams: Creating the High-Performance Organization” 

「真のチーム」になるための6つの条件

 4つの効用により変革や業績向上をもたらすチームを、カッツェンバック氏たちは「真のチーム」と呼びます。真のチームとは、共通の目的、達成目標、アプローチに合意しその達成を誓い、互いに責任を分担する補完的なスキルを持つ少人数の人たち、と定義しています。

 そして、「真のチームになるための6つの条件」を明らかにしています。

  • 条件1:十分に少人数
  • 条件2:メンバーが互いに補完的なスキルを持つ
  • 条件3:真に意義のある目的を持つ
  • 条件4:具体的な目標を持つ
  • 条件5:問題解決のアプローチを共有する
  • 条件6:メンバーが相互の責任を持つ

 このように指摘されると、齋藤ウィリアム氏の“日本にチームがない”とする指摘の意味がよく分かります。確かに日本ではこのような条件を満たすチームはほとんどないかと思います。伊賀氏と同じマッキンゼーのOBで最近『君に友だちはいらない』(講談社)というチームの本を出版された瀧本哲史氏は、この本で日本に「ありがちなチーム」は以下のような特徴があるとしています。

  • 年次、経験、職位、バランスで選ばれた数多くの正式メンバー
  • メンバーは固定的なスキルを持つ
  • 定型的で平凡な課題と達成目標
  • 目標へのコミットメントはやったふり、仕事をしたつもり
  • 問題解決ごっこ
  • 集団責任は無責任

 ここで、「コミットメント」というキーワードが出てきます。カッツェンバック氏たちは、チームが実現できる業績に応じてチームのレベルをいくつかに分類しています。

チームが実現できる業績に応じたチームのレベル
チームが実現できる業績に応じたチームのレベル

 トップにあるのが本書のタイトルになっている「高業績チーム」で、さきほど6つの条件を示した「真のチーム」は、その次に位置するものです。

 高業績チームと真のチームの違いは“コミットメント”にあります。高業績チームにはコミットメントとして、メンバー個々がプロフェッショナルで、他のメンバーの目標達成を心から手伝おうとします

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日本でイノベーションが起こらない理由―「真のチーム」というアプローチの不在

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この記事の著者

好川 哲人(ヨシカワ テツト)

有限会社エムアンドティ取締役、株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表取締役、技術士、MBA
技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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