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Azureに、のせてみた。

僕らがWindows Azureに望むこと

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 前回は、既存の環境をパブリッククラウドのWindows Azureに移行する際に、気をつけておいたほうがいいというポイントを中心に話題が展開した。今回は、OSS系のアプリケーションを動かすために、Windows Azureにはこうなって欲しいという話題から、ハイブリッドなクラウド環境をどう捉えたらいいのかという話題に発展。さらに、マイクロソフトへの要望も盛りだくさんに。司会進行は谷川が務め、原稿執筆は加山さんが行った。

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左から、シックスアパート・高山氏、柳下氏 / 日本マイクロソフト・笹木氏、佐藤氏/DBオンライン・谷川耕一 

Windows Azureは「Immutable Infrastructure」

「」佐藤
「AzureのPaaSはImmutable Infrastructure」(佐藤)

 佐藤:「Immutable Infrastructure」という考え方があります。「Immutable」は「不変の」、「変更不可能な」という意味です。どういうことかというと、アプリケーションをバージョンアップする際に、今ある環境を拡張するのではなく、毎回作り直しましょう、という考え方です。今のコンテキストではAmazon EC2などのIaaS上でのImmutable Infrastructureの議論が多いのですが、AzureのPaaSにもそれに当てはまるんじゃないかと思ってます。

 谷川:マイグレーションってユーザーには負担が大きいからみんな避けたいと思っている。それが、クラウドで変わってくるのかな。一時は仮想化でそれを期待したけど、結局仮想化を使ったマイグレーションってあまり普及していないんですよね。

 笹木:仮想化でも、結局はサーバー管理があるので、結構面倒なんです。

 谷川:それがクラウド化で、ようやく進むのかなという感覚があります。OSなどやるべきマイグレーションもあるのに、かたくなにやらない人もいますよね。

 柳下:MSさんがもうサポートしていないWindows Server 2003とかSQL Server 2005とかを、まだお使いのお客様もいます。そこで「MTがうまく動かない」なんて言われてですね、サポートする身にもなってほしい(笑)

 谷川:さっきの「SQL Serverの機能のうち1割しか使ってない」と同じで、これもまたもったいない話ですよね。ITシステムは、できるだけ新しい環境で使うべきだと僕は思う。XPのサポート切れにしても、なぜこんなにニュースになるのか。残念です。問題にしている人たちは、自分たちの環境が時代遅れだと宣言しているようなものだし。

 柳下:それを言うなら、Windows 7が来年1月にはサポート切れになるということに、みんなもっと注目すべきだと思うんですよ。

 谷川:いまでも、わざわざWindows 7を買っている人もいますもんね。

 柳下:メインストリームのサポートが切れるんですよ。それを知らない人が多いなんて。日本の企業の人たちは「石橋をたたいて渡らない」。新しい世界に対して踏み出していくことについて、すごく躊躇するんですね。Azureに対しても、Windowsでとりあえず同じように動かそうと。でも実際はいろんな罠みたいなものがあったり、あるいは、便利なテクニックがあるのにそれを知らずに、使いこなせなかったり。そういう情報は、ぼくたちは出せないから、MSさんから出してほしいですね。

 あと特にOSSの人たちからすると、.NETでアプリは書きたくないんですよ。意地でも。Visual Studioも使いたくない。

 佐藤:若干ですが、オープンソース系でVisual Studioを入れてくれる人もいますが…。

 柳下:シックス・アパートを例に挙げると、エンジニアのマシンの半分はいまやAppleなんです。それでWindowsを動かすためにVMware Fusionを入れたりして。それなりにコストがかかりますよね。ぼくは開発をAzureのVMでやるようにしています。OSSのエンジニアの人たちは圧倒的にOS X系が多くて。その人たちがAzureで何かするときには、頑張ってもWindows PowerShell止まりです。

 佐藤:それでもWindowsが要ると。

 柳下:それは仕方ない。何が言いたいかというと、IISの制御がしたいのです。IISのオンスタートでいろいろと処理をするとなると、PowerShellのスクリプトで実行できるらしいですが、もっと楽に使えるようにしてほしい。

 たとえばアクセスするIPを制限したいとか、あるディレクトリに関しては強制的にSSLを有効にしたいとか。AWSだとそんなに難しくないのに、Azureだとうまくいかない。ここは痛い。実際にお客様にご不便をかけてしまっています。

 谷川:それをやろうとすると.NETで書かないとならない。

 佐藤:PowerShellならぎりぎり容認なのでしょうか。シェルだし。

 高山:エディタで書けるし。

 谷川:Visual Studioなしでできる。そこは今後の課題ですね。

 柳下:あとはですね、せっかくAzure SDK 2.2からAzCopyがAzureのディスクツールに入ったのは大歓迎なのですが、デリートができないのが残念です。あれをRobocopyっぽく使いたいんですよ。クラウドサービスの中のデータをストレージにバックアップ用に持っていくときに、場合によりデリートも必要になります。AzCopyにはファイルの削除機能がないので、別にREST APIで書かなくてはいけないんです!

 高山:あれ、なんかシーンとしちゃいましたが…。

 柳下:AzCopyってそんなことに使うと想定されてないんだと思うんです。

 谷川:コピーはできるけど、削除は自力でプログラムを書けと。

 佐藤:現時点では代替のツールはないですからね。ぜひ拡張リクエストを!

 柳下:いまAzureストレージをスタティックなWebサーバーとして使えるのだから、もう少しデリート系が使えるといい。MSさんはじつは便利なツールを提供しているのに、何か足りない。惜しい。星2つ。

 佐藤:それは少ない…

 柳下:何で気づかないんだろう。Robocopyと同じことができてもいいでしょ。

 谷川:OSSなら機能が足りないなら誰かがすぐに作る。Azureだとマイクロソフトが作ってくれるまで待たなくてはいけないのがジレンマですかね。

 柳下:MTはPerlで作られているので、いろんな処理がPerlになります。昨年AzureにPerlサポートをリクエストしたのですが、結局ダメでした。日本のOSSではPerlは多いので、Immutableな世界でAzureを提案できるはずなんですよ。

システム移行の課題をWindows Azureで解決!

 Windows Server 2003の延長サポートが2015年7月で終了します。

 更新のさまざまな問題は、業務システムをWindows Azure上で稼働させることで解決できます。

 

 

 マイクロソフトでは、システム移行にまつわるさまざま課題を解決します。導入のメリットから、すぐにわかるWindows Azure移行費用概算ドキュメントまで、下記のページで詳しくご案内しています。

→→ Azureへの移行はこんなに簡単!支援策に関する情報はこちら

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/5689 2014/04/01 15:45

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