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Azureに、のせてみた。

クラウドが万能なはずはない!Azureの弱点を暴け(前編)

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データセンター間のネットワークに課題あり

谷川
「ユーザーが声を上げれば、
実現の優先度は上がるのでは?」(谷川)

 谷川:ほかにもAzureでネックとなるのところはありますか?

 笹木:実は前回言い損ねて、気にしているところがあるんです。今マイクロソフトはデータセンターを国内2カ所(東京と大阪)作っています。国内2つのデータセンターで災害対策にもなりますよと。AWSで複数のデータセンターを使うなら国内と海外になるので、その点も優位ですよと。

 谷川:良さそうですよね。

 笹木:しかし現時点では、仮想ネットワーク機能がデータセンター間でサポートされてないのが問題です。具体的には東京と大阪でPINGが通らない。だからAlwaysOnの高可用性グループを作れるのは東京のセンターのネットワーク内ならできるけど、東京と大阪の両方だとネットワークがつながらないので構成できないのです。

 谷川:インターネット経由なら?

 笹木:それならできます。それだと東京と大阪、両方にインターネットからアクセスできる口を用意する必要があり、今度はセキュリティ上の懸念があります。それにインターネット経由だと性能もあまり出せません。ここのことは、記事ではばっさり切っていただいたほうがいいかと。。。

 谷川:それは困った(笑)。それは東京と大阪間だけではない話?東京と海外だと?

 笹木:同じです。

 谷川:なるほど。それは困りましたね。

 (ここで北川氏が遅れて登場)

 笹木:参考までに、地理(ジオ)レプリケーションという機能があります。たとえば東京で作ったファイルは、Azureがバックエンドで大阪にコピーします。ただしここにはSLAがなくて、通常のファイルであればよいですが、データベース自体の災害対策に使うには現実的には厳しい。一般的にはAlwaysOnとかログ配布とかミラーリングとか、SQL Serverの高可用性機能を使うことになります。

 谷川:ちょっと待って。この話はどこからどこまで記事に出していいのだろうか。

 北川:全部、出していいですよ!

 笹木:さっき「東京と大阪でPINGが通らない」という話もしていたんですが。。。

 北川:だって、隠してもしょうがないですよ!現時点の事実ですから。将来的には解決できる事項です。

 笹木:製品担当にそう言ってもらえて一安心です。実はここを突かれたら一番痛いなと思いつつ、前回は言い出せずにもやもやしていたんですよ。

 北川:現時点での制限事項を隠しても意味はありません。外部向けセミナーでも「東京、大阪の両方を利用する際にはオンプレミスのADサーバーを経由してください」とお話ししていますし。

 小澤:SQL Serverでログ配布ができるので、東京と大阪のデータセンター間の同期はやろうと思えばできますよね。AzureのBLOBストレージにバックアップを保存すればいいだけで。ただ「いける」と「運用できる」は違いますけど。

 笹木:今MSが出している機能は、そのあたりはほぼ「自作してください」に等しいです。「できます」けど「現実的ではない」。

 小澤:作らないといけないというのはIaaSを使う制約ではないでしょうか。ただ「クラウドなら自動的にやってくれるんでしょ」というイメージには反していますけどね。ジオレプリケーションで妥協するのか、IaaS上で努力して構築するかは考えて選ばないと。

 谷川:ある意味、過渡期なんでしょうね。前回「日々機能が増えてドキュメントが追いつかない」という話を聞いたくらいですし。ユーザーサイドがこれが欲しいと声を上げれば、実現の優先度が変わるのでは?

 小澤:ボタン1つでAlwaysOnのインスタンスが増えたら便利ですよね。そういうのができるといいなあ(笑)

 笹木:そういうのを実装しているのがSQLデータベースとも言えます。そういえば、北川さん的にはどちらが普及すると嬉しいですか?AzureのSQLデータベースとAzureの上のSQL Serverと。

 北川:その質問は難し過ぎて答えられないです!

 一同:(笑)

 北川:現状は、まだまだ選択するための情報が足りないかもしれない。データベースをPaaSで使いたいという要望があったとしても、SQLデータベースだとデータサイズの制限が最初に問題視されます。SQLデータベースは1個あたりのデータサイズに制限はあるものの、何個でも作れるのでたとえば100個作れば1.5TB。運用も簡単なので、横展開して使うのもありなのにそうした発想にはなかなか至らないのが残念です。横串で検索したければ、その前に SQL Server Analysis Services を立てる、という方法も考えられるでしょう。

 谷川:PaaS(SQLデータベース)はまだなじみがないのかな?

 北川:PaaSはAmazon RDSやRedShiftなどくらいしかイメージされていないかもしれません。まだPaaSとして、本格的に試せるデータベースが少ないですね。

 谷川:Amazon RDSやRedShiftは、僕はあまりPaaSっぽくないと思ってます。

 小澤:RDSは本当のSQL Serverを動かしていますよね。それに対して、SQLデータベースはまさにPaaSという気がします。ただPaaSはPaaSならではの制約があるので、それを生かして使うのが大事だと思います。

 北川:璧なPaaSやSaaSのデータベースを今即座に提供できるとしたら、僕らはIaaSとかハイブリッドクラウドとか言わず、その完璧なデータベースだけでビジネスができると思うんですよ。でも今はできない。だからみんな試行錯誤しているのだと。

 小澤:特性を分かった上で使ってもらいたいですよね。

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IaaSでSQL Serverを運用する際の弱点

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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