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Azureに、のせてみた。

クラウドが万能なはずはない!Azureの弱点を暴け(前編)

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IaaSでSQL Serverを運用する際の弱点

北川
「スピード感やサービスレベルが高いものは
まだIaaSでは厳しい」(北川)

 谷川:前段でSQLデータベースはバッチができないが、IaaSのSQL Serverなら可能という話がありました。逆にIaaSならではの弱点はありますか?

 小澤:データサイズが極度に大きいのはIaaSに向いていないという気がします。IaaSだとスケールアップしかできないので、どうしても頭打ちになる。現時点ではAzureで投資できるのはCPUとメモリとネットワーク。投資先が限られている中、年間の投資額と性能が見合うのか。判断がなかなか難しいところだと思います。

 谷川:早いストレージを使いたいとき、自由にそれができるかと言うとそうではない。

 小澤:そのときはスケール「アウト」をしなくてはなりません。Azureだとハイパフォーマンスなストレージは選択肢にありません。だから横に伸ばしていかに分散させるか。そこにIaaSだとなかなか難しいと感じています。

 谷川:それなら自分の手元において、速いストレージを分散させたほうがいいのかな。

 小澤:クラウドのディスクが高速化しないと、結局「クラウドになっても安くなりませんね」となってしまうかと懸念しています。

 谷川:MSからはどうでしょう。IaaS(SQL Server)を使うとき不利なものとかないですか。

 笹木:要求の厳しいものはまだきついです。小澤さんが指摘するようにストレージは現時点ではまだ新機能が出てないので。Azureストレージだと1ファイル1TBまでという制約や、バックアップにかかる時間、SQL Serverが許容できるのが16TBまでという容量制限などがあります。

 北川:16TBというのは SQL Server用の記憶域を VHD でマウントするからですね。

 小澤:次のバージョン、SQL Server 2014からは、BLOB ストレージにDBのファイルを格納できますので16TBの制限はなくなりますよね。

 北川:データ容量の制限に関してはいずれクリアになりますし、データをアップロードするのもAzureと専用線接続しているデータセンターも出始めているので、これもいずれ解決するでしょう。僕の立場から言うと、何かあった時に、サーバーのある場所にエンジニアが駆けつけて、直接アクセスして解析をするようなシステムであるとか、お客様の期待値としてスピード感やサービスレベルが高いものはまだIaaSでは厳しいかと。

 小澤:データセンターと専用線接続というのはまだ米国内だけですよね。

 北川:そうですね。でも、そういった高速回線を使えば4TBだろうが、10TBだろうが、それなりの時間でAzureに上げられます。回線事情も近々解決していくでしょう。

 谷川:今はインターネット回線経由で大量のデータを上げるシステムはやめたほうがいい。けれども、そのうちにデータセンター経由で上げられる仕組みが出てきそうなのですね。

 北川:そこのところをホスティングベンダーさんは、自社の強みとしてアピールしてくることになるでしょう。

 谷川:先日Amazonで取材したら「(受け側の)口は最大限開けているので(いくらでもアップロードが可能)」と言ってました。たしかにその通りなんでしょうけど、ユーザーが大きなネットワークの口を用意するとなると、そこにはかなりのお金がかかるんですよね。

 北川:Azureではアップロードするのは課金が発生しません。問題は課金がかかるダウンロードです。クエリの結果が5TBとかになると、ダウンロードするのにかかる課金を気にしたほうがいいでしょう。いや、そんなの気にしないならいいのですけど。

 谷川:北川さん、顔が嬉しそうですよ(笑)。

 北川:お客さんにそのあたりを許容してもらえるなら、後は僕らが可能にするだけです。技術的な課題はエンジニアががんばれば克服できるので。

 笹木:……はい。ユーザー目線だとデータセンター間の通信が気になります。またデータセンター間で提供しているサービスに差があり、サービスが別々に提供されているのに、データセンター間の通信には課金がかかってしまって申し訳ないですね。

 谷川:それって、どういうことですか?

 笹木:たとえばHDInsight(Hadoopのサービス)です。日本ではまだサービスが提供されていませんので、東南アジアなどのデータセンターを使わなくてはなりません。それ以外のデータベースはレイテンシーが少ない日本で動かしたいとなると、HDInsightに置いた大量のデータを東南アジアから日本へ流すことに、そこのところで課金が発生して、北川さんが潤うということに(笑)。

 北川:データを操作するたびにチャリーン!と課金されます。移動するたびに、チャリーン!チャリーン!チャリーン!と。

 谷川:そうした課金が発生することも考慮して、構成を提案してもらわないとですね。

 笹木:今までオンプレミスなら発生していなかったところに費用がかかるのは注意したほうがいいです。

 【後編に続く】

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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