「IBM Cloud Managed Service」の新サービスモデル
Cloud Managed Serviceは、以前「SmarterCloud Enterprise+」と呼ばれていた製品だ。従来はIBMのデータセンターにあり、リソースは顧客専用のプライベートクラウド、あるいはリソースを共有するプライベートクラウドを対象にしていた。今回はそれらに加え、新たに顧客のデータセンターにあるプライベートクラウドを対象にする。これにより、顧客のデータセンターにあるプライベートクラウドでも、迅速な立ち上げと運用手間の削減を実現する。
Cloud Managed Serviceは「既製品のサービスです」と小池氏は述べる。つまり、IBMが決めた基準で構成されるメニューのサービスであり、顧客の要望に合わせきめ細かくカスタマイズするものではない。その代わり、たとえばセキュリティレベルなどはかなり高いものが設定してあり、顧客がそれを受け入れれば基本的には安全かつ迅速にプライベートクラウド環境を運用できるようになる。また迅速に導入できるだけでなく、既製品の形にすることでコストが膨れ上がることも防いでいる。
顧客のデータセンターにあるシステムをIBMが運用するが、担当者が常駐するわけではない。IBMのクラウド・データセンターと顧客サイトをネットワークで接続し、IBMのクラウド・データセンターの管理系サーバーを利用してリモートから運用監視を行うサービスとなる。そのため、顧客は管理系サーバーなどを購入する必要がなく、サブスクリプション型の費用でサービスを利用できる。既製品サービスではあるが利用するプライベートクラウドで運用する仮想マシンの規模などにより費用が変動するため、価格は個別見積もりとなるという。 Cloud Managed Serviceを利用することで、マネージド・プライベートクラウドの災害対策サイトをIBMのデータセンターに置く構成も可能となる。その際には、国内のIBMデータセンターだけでなく海外のデータセンターを選択することもできる。
また、Cloud Managed Service 1.4では、SAP HANAの運用をサポートするメニューが用意されている。すでにSAP HANAを導入している場合にも、これから新たにSAP HANAを導入する場合にも対応できる。SAP HANAを運用する際の可用性のSLAは99.7%だが、OSにIBM AIXを選択すれば99.9%まで可用性は向上する。