提案相手を5分でつかみたい
たとえばプレゼンで1時間与えられたとします。前回は「提案相手の集中力は15分持てばいい方」だと述べました。しかし、実際勝負の行方を左右するのはもっと早いタイミング、最初に相手をつかめるかどうかでしょう。相手を「つかむ」ためのポイントは冒頭に示したとおりです。
まずは、「企画書のクオリティ」からですね。企画書での「つかみポイント」といえば、次の2点です。
- A. 企画書の見た目
- B. 表紙・まえがき
「なんだ、内容はどうでもいいのか」と言われそうですが、内容に入る前に、まず、相手にぐっと興味をもってもらうことが必要で、そのためには冒頭の3つのポイントを工夫することだと思います。
今回は「A.企画書の見た目」について述べましょう。ポイントは次の通りです。
- A-1.製本など、まさに「見た目」のよさ
- A-2.「パッと見」センスのよさ
企画書だってちゃんと包装してリボンをかけよう
デパートの品物だって包装が大切です。企画書も内容が大事なのは当然ですが、クライアントに出すとき、ちゃんとキレイに包装してリボンをかけていますか?
具体的には、「上質の紙を使うこと」。上質の紙をつかってプリントアウトすると、色合いや手触りが全然違います。大きな文房具店や画材店に行けばレーザープリンター対応の上質紙を販売していますし、A4のフォトペーパーなどでもいいでしょう。
もうひとつは、「プレゼンテーション専用ファイルで製本すること」。プリントアウトを適当にホッチキスで留めるのではなく、コクヨの「レポートメーカー」のような専用ファイルで製本すると、まったく見栄えが変わります。また、大都市圏の人は、フェデックス・キンコーズなどプロに製本してもらうことも検討するとよいでしょう。仕上げの質が違います。これら製本した上質な企画書を手渡すだけで、ぐっと印象が違うはず。
「パッと見」センスは色で判断される
企画書の「パッと見」で印象を左右するのは、まずカラーリングでしょう。現在カラーでのプリントアウトが主流になっていますが、人の企画書を見て、センスの悪い色使いで「あちゃ~」と思ったことはありませんか?ちゃんとデザインを学んだ人でないと、センスのいい色使いができないものです。ではどうするか?
「基本的には青系をベースに三色程度で表現」することです。青系は一番失敗のない色づかいです。ベースを青にし、文字は黒で、ポイントは赤という具合に、三色だけでまとめるようにしてみてください。
三色じゃあまりにバリエーションがなさすぎる? それではPowerPointのカラーパレットの中から、青なら、その同系色を、黒なら灰色や、薄いグレーなどを選んで、同系色の濃淡でまとめてみてください。赤はポイントだけに使い、強調したい部分は薄いピンクなどで加工してもよいでしょう。
・企画書も「見た目」が大事。上質の紙や専用ファイルできちんと製本して渡すべし
・企画書の「パッと見」は色使い。青系ベース三色で表現すれば失敗はなし
【関連リンク】
・イチから始める企画書/提案書のスマート作成講座と速効テンプレート(マイクロソフトの公式ページ スマートビジネスセンターでの藤木氏の連載講座)