SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

EnterpriseZine Day Special

2024年10月16日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

Operation Online Press

Yahoo! JAPANのサービスを支えるビッグデータ分析基盤の最新動向――ヤフー角田直行氏が解説


 Yahoo! JAPANはニュースや検索、eコマースなど100を超えるWebサービスやアプリを提供しており、ユーザーの履歴情報をはじめ様々なジャンルのビッグデータを保有している。そして、ユーザーに最適な情報や広告を提供するためにビッグデータを利活用している。4月23日に開催したEnterpriseZine Day「BigData×Storage」(主催:翔泳社)の基調講演では、Yahoo! JAPANがどのようにデータを利活用しているのか、また、その大規模なデータをどのようなインフラ基盤が支え、処理しているのかについて解説された。

ビッグデータにおいて必要なのは、データを使ってどれだけ「価値」(Value)を出すか

 Yahoo! JAPANが自らにミッションとして課しているのは「課題解決エンジン」であるということだ。そのために検索、ショッピング、ゲーム、ニュース、地図など数多くのサービスを提供している。

ヤフー株式会社 データ&サイエンスソリューション統括本部 テクニカルディレクター 角田 直行氏

ヤフー株式会社 データ&サイエンスソリューション統括本部 
テクニカルディレクター 角田 直行氏

 月間の総ページビューは、約619億に及ぶ。スマホの市場にも積極的に取り組んでおり、開発したスマホ向けアプリの累計ダウンロード数は約2億7000万となっている。会員制度Yahoo! JAPAN IDのアクティブユーザー数は、月間で2953万人。検索サービスに入力される検索クエリの種類は、年間で約75億であり、Yahoo!ショッピングでの取扱商品数は約1億6000万点にも及ぶ*。

 *PVなど各数値はヤフー株式会社2014年度通期および第4四半期決算報告資料より

 以上のことからYahoo! JAPANは様々なジャンルでビッグデータを保有しており、マルチビッグデータカンパニーと称している。では、そのデータをどのように活用しているのか。

 よくビッグデータには、ボリューム(Volume)、バラエティ(Variety)、ベロシティ(Velocity)という3つのVがあると言われる。角田氏は「ビッグデータにおいて必要なのは、データを使ってどれだけバリュー(Value)、価値を出すかです」と語る。

 「紹介された一つ目の事例は、Data Management Platform(DMP)と呼ばれるものだ。Yahoo! JAPANが提供する「Yahoo! DMP」は、同社の売上の大半を占めているマーケティングソリューション事業の中核を担うプロダクトになる。

 「Yahoo! DMP」は、クライアントが持つさまざまなデータを管理できることはもちろん、 Yahoo! JAPANのマルチビッグデータも掛け合わせて活用することができる。独自のモデリング技術を用いて潜在的なユーザー層に最適なコミュニケーションを届けるためのインターネットユーザーの行動予測モデルを作成し、広告配信を行うこともできる。さらに、メール配信やウェブサイト最適化など広告以外のさまざまなマーケティングチャネルへの連携や、各種レポーティング機能などを提供している。

 その他、データ活用の事例の中で、目に見える形でユーザーが認識できるものの代表例が検索入力補助、レコメンデーションになる。マルチメディアのデータも扱っており、たとえば音声で入力された質問に音声で答える「音声アシスト」というアプリも提供している。

 また、「リアルタイム検索」と呼ばれるサービスではTwitterやFacebookなどの投稿をマイニングして検索する。さらに投稿時の感情がポジティブ、ネガティブのどちらかなのかが一目で分かるような、感情分析の機能も提供されている。

 サービス改善のためA/Bテストを数多く繰り返しており、たとえばYahoo!ニュースのある画面では9ヶ月間で36回実施している。「実際、結果の良かったものと悪いものを比較しても、その理由を論理的に説明ができないことが多い。ユーザーに問うた形でのオンラインテストの繰り返しが大事だ」(角田氏)。

 スマートフォン版のYahoo! JAPANトップページで、検索フォームの枠の部分を少し太くしたら、検索の誘導が2%向上した。これだけで年間の売上が5億円も違う。

出所:EnterpriseZineDay「BigData×Storage」2015年4月23日、ヤフー株式会社 角田直行氏講演資料より

検索索窓の枠線を”中太”にすると、検索索誘導2%向上
出所:ヤフー株式会社「Yahoo! JAPANが取り組むビッグデータ分析基盤の最新動向」角田直行氏 講演資料より

次のページ
Yahoo! JAPANのサービスを支えるデータ処理システムと組織

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
Operation Online Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

DB Online編集部(ディービーオンライン ヘンシュウブ)

DB Online編集部翔泳社 EnterpriseZine(EZ)が提供するデータベース/データテクノロジー専門メディア「DB Online」編集部です。皆様からの情報お待ちしています。

Twitter : https://twitter.com/db_online
Facebook : http://www.facebook.com/dbonline.shoeisha

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/6863 2018/02/06 11:59

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング