SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

データベース温故知新

008 RDB:オープンプラットフォームという新しい土壌

 1970年、コッド博士のリレーショナル・モデル論が広がりはじめる頃、コンピューターは産学軍のアメリカが得意とする共同体ビジネスの時代からベンチャーの時代に移っていきます。そんな中で「共同体ビジネスなんて関係ねぇ!」というミニコン時代を切り開いた風雲児が現れます。

 IBMがIMS/DCを発表したのもこのころです。

 IMS(階層型データベース)にトランザクション環境を用意したのがIMS/DC(IMS/TM)です。IMS/DC上のアプリケーション開発はオンライン・プログラミングと呼ばれ、現在でもIBMロックインを支えている優秀なドル箱コンポーネントです。

The CODASYL Family

 IBM以外の大企業は、バックマンをリーダー格にしたCODASYL委員会の中で、DB I/Fの標準化に取り組みます。CODASYLがThe Backman Familyのようになり、そこでは次世代アーキテクチャのネットワーク型モデル(List Processing Task Group)の標準化が、DBTG(Database Task Group)というサブ組織活動のもとで行われました。(図1参照)

図1 
【図1】(*1) 

 言語の仕様統一を進め、突き詰めると、新DBアーキテクチャへと繋がるのは当然のことだったのでしょう。そしてリレーショナルに飛躍することなしに階層型の次世代を模索したのも、バックマンの実績からして、現実感のともなった挑戦だったのだと思います。しかし、その後の現実はリレーショナル勢隆盛の時代になり、SQLはCODASYLではなくANSIのもとで標準化されるようになります。それに、図からも解るように、キープレイヤーであるIBMは参加していませんので、本来は取り上げるべき歴史ではないのかもしれませんね。でも、せっかくなので「XeroxやPhilipsもデータベース・マシンを作ってたんだねぇ~」っと、トリビア。

GMのin-house RDBへのチャレンジ

 GM(General Motors)研究所が1960年代後半に自前のリレーショナル型DBMSをミシガン大学と共同で開発していました。そして、そこにSQLの源流があります。当時はデータベースもさることながらCOBOL以外の高級言語の開発が模索された時代です。その中で本命とされたのがPL/Iです。GMはPL/IのDBインターフェースとして、SQLとコマンドが似ているAPL(Associative PL/I)を開発しました。そしてCODASYLグループは、それを参考にI/F仕様を作ったのです。

 ちなみに、IBMもPL/Iに入れ込んでいました。そしてDBインターフェースのDL/Iとペアで次世代アプリケーション・アーキテクトを考えていました。だからIMS/DBは直ぐにはSQLには行けなかったのでしょう。

 今回は堅苦しくて、このままだと息が詰まりそうなので、もう少しワクワクする話に脱線します。

次のページ
インタラクティブ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
データベース温故知新連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

小幡一郎(オバタイチロウ)

DBOnline特命記者 ユーザ企業としてPCやオフコンからコンピュータキャリアはスタートし、メインフレーム・パッケージベンダーそして日本オラクルを経て1995年インサイトテクノロジーを設立。2007年、インサイトテクノロジーから離れ、デンマークのMiracleグループに参加、ミラクル・アジアパシフ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/7007 2015/07/09 06:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング