カタカナは”思考停止”のサイン
IT業界にはカタカナが反乱している。データベース(DB)、ネットワーク、サーバー、ルーターといった機器などの呼称だけでなく、アジェンダ、アラート、コミット、プライオリティ、バッファ、マイルストーン……など挙げ出せばきりがない。世間一般的に考えると、気持ち悪いくらいにカタカナ語が氾濫しているのがIT業界だ。
カタカナ語は、使うこと自体が問題ではない。理解しないまま使っている人がいるのが問題なのだ。また、カタカナ語も業界によってはまったく意味が異なる。例えば、IT業界の人たちは「デフォルト」を「初期設定」とか「標準的」といった意味で使っている。しかし、実は英語にはそのような意味ではない。正しい意味としては、金融業界の人たちが使う「債務不履行」だ。
だから、まともなIT業界人は誤解のないように、可能な限り日本語で説明し、どうしてもカタカナ語になる場合は、その意味を付け加えて説明するはずなのだ。カタカナ語を多用する人の頭のなかでは、その人なりの解釈ででき上がっているため、「自分が話した意味は相手にきちんと伝わっている」「誤解するのは相手が悪い」くらいになっているのが通常のようだ。
提案書は日本語で書かれたものを採用すべき
「日本語で書かれた提案書を採用する」。当たり前のことなのだが、意外とIT関連の提案書はそうなっているものが少ない。よくあるのは、その会社で発売しているシステムのことを「ソリューション」と表記している。しかし、英語の「solution」は「解決」や「解答」という意味であり、一般的には解決手段、解決方法のことを指す。システムのことはソリューションではない。しかし、そのことを理解せずに誤用している提案書は読むに値しないと言える。
その他にも、その提案書で何が解決するのかが書かれていないのに、システム構成図だけ書かれているものもある。そこにはデータベースはDBと書かれ、サーバーと書かずにServerと書かれている。いくつもServerがあるが、どれが何をしてくれるのか全然理解できないものも、読むに値しないと言えるのではないだろうか。