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2022年6月28日(火)13:10

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戦略的データマネジメント講座

手段と目的を同時に議論していませんか?現実的なデータ活用戦略の考え方【戦略的データマネジメント講座】

 データの利活用という命題は、情報システム部門の抱える主要課題の一つであり続けています。「こんなレポートが欲しい」「半年待ってください。30秒でだします」といった笑い話のようなやり取りが、いまだになされることも少なくありません。

「こんなレポートが欲しい」「半年待ってください。30秒でだします」

「大丈夫。業務ユーザが使っている分析ツールは、誰でも簡単に操作できるというのがウリだから、そんな依頼そもそもこないよ」

「大丈夫。そんなレポート今までなくてもやってこられたのだから、レポートは必須って話にならないよ。どうせ要件定義で消えるから」

「大丈夫。半年もあればちゃんと組み立てるから30秒もかからない。数秒だよ」

「大丈夫。半年じゃできないよ。起案から稟議通して来期にスタートだから」

 どんな「大丈夫」の姿が正しいかは置いておいて、おそらく各々の読者によって「笑いポイント」が違ったのではないでしょうか。この「笑いポイント」こそが、各々が抱えている現実を示しています。そして、「現実的なデータ活用戦略」と言ったときの”現実的”が示す制約でもあります。

 無意識のうちに、「ウチでは…」と前提を置いていると言えばピンとくるでしょうか。しかし、立案段階ではこれは頭の片隅に留めておく方がよさそうです。一番やってはいけないこと、それは片隅ではなく、前面に持ってきてしまう事です。いわゆるAS-IS(現状)からスタートするというやつです。

 こう言うと、「まずAS-IS(現状)、そしてTO-BE(こうなる姿)って言うんでしょ?」と、突っ込みが返ってきそうですが、我々の経験ではTO-BEアプローチもあまりうまくいかないようです。  

 とあるお客様から、「データ利用の議論が進まない」とのご相談があり、お伺いしたところ、「今、出しているレポートでは…」「今のKPIでは…」「ストレージの現残容量が…」「業務側ITスキルが今のままでは…」「今のネットワーク帯域が狭くて…」と、今あるモロモロの制約からどうすればいいのかを考えた結果、AS-ISの段階で手詰まってしまっていました。

 AS-ISスタートは、制約条件がそのまま言い訳になってしまい、“できない理由探し“のようになってしまいがちなのです。

 また、別のお客様では「どう進めているか事例を含めて知りたい」とご相談を受け、お伺いしましたが、「何かやりたいけど、何をしたらいいかわからない…と業務側が言っている」「ITで主導しろと言われて計画を作ってみたのだが…業務側がわからないと言う」「原因分析を進めたいと言っているが、アイデアはでてこない」「別の角度でと業務側は言っているのだが、別って何?の答えがない」「これまで以上に多くのデータで分析したいと言っているのだが、そんなにデータは蓄積してきていない」「今のモデルで十分予測できているのだから、精度を上げたところで業績が大きく変わると思えないのだが」…等など、TO-BEを考えた結果として行き詰まってしまっていました。TO-BEアプローチの失敗です。  

 これらは実のところ、お客様にご相談をいただいてお伺いした時によくある状態です。そして、これらのアプローチでの最後は「(情報系だから)予算がつかない」「ROIが描けないから、ヒトもカネも出ない」となってしまい立案時点で消滅しないまでも、縮小してしまうことがよくあるようです。

 制約条件からスタートすると、できない理由探しになってしまうか、成果を期待できないという結果になるのだと我々は理解しています。

 では、どうすればよいでしょうか。我々の経験では、よくある「どうあるべきか」という話ではなく、「(制約がなければ)どうありたいか」という視点でスタートするのがよいようです。今どんなシステム(ハードウェア、アプリケーション)があって、どんな運用をしていて、どんなデータがあって、どんなレポートをだしていて――というAS-ISをスタートにするとこれまでの延長線、しかも、自分たちにとっての”ほんの少し先”の話にしかなりません。

 まずは「(制約がなければ)どうありたいか」(SHOULD-BE)。ここをスタートにしたいものです。前出のお客様のいくつかでは、戦略再立案からお手伝いさせていただきました。SHOULD-BE視点でファシリテートさせていただき、現状の正しい認識、ありたい姿、これに至るロードマップ、途上での想定効果(マイルストン)など、ビッグピクチャーから戦術にいたる一式を成果としました。現在はこれを基に取り組みが進行中です。

次のページ
データ利活用に対する”深刻な誤解”とは?

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この記事の著者

藤田 泰嗣(フジタ タイシ)

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https://enterprisezine.jp/article/detail/7878 2016/04/08 07:00

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