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非構造化データを扱うファイルストレージもオールフラッシュで

 ピュア・ストレージ・ジャパンは、実効容量ギガバイト単価が1ドル未満となるブレード型のオールフラッシュ・ファイルストレージ「PureStorage FlashBlade」を発表した。企業のビッグデータ活用においては、非構造化データをどう扱うかが鍵となる。これまでは構造化データを扱うデータベース用のブロックストレージなどのオールフラッシュ化には、各ベンダーが積極的に取り組んできた。一方で、非構造化データ向けのNASファイラーやスケールアウトNASは、安価に大容量データを扱うことを重視するので、大容量が確保しやすいハードディスク型ストレージがまだまだ主流だ。

大量の非構造化データを扱うためのブレード型オールフラッシュ・ファイルストレージ

 大量な非構造化データを高速に処理するには、Hadoopなどの分散ファイルシステム技術などを用い、ディスク型ストレージの弱点を補う工夫もなされてきた。とはいえ、多ノードのHadoop環境を運用するのは、それに長けたエンジニアを抱えていない企業にはかなり敷居の高いものがある。ピュア・ストレージでは、大量の非構造化データを高速に扱いたいとのユーザーニーズに対し、同社の得意とするオールフラッシュ・ストレージの技術で解決策を提供することにしたのだ。

 ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役の山田秀樹氏は、「今日は顧客ニーズに応えるマイルストーン的な発表になります。各ベンダーが提供しているオールフラッシュストレージにはないものを発表します。FlashBladeでより多くの顧客ニーズに応え、それによりピュア・ストレージのビジネスもさらに伸ばして行きます」と言う。

 ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役の山田秀樹氏
ピュア・ストレージ・ジャパン
代表取締役 山田秀樹氏

 山田氏によれば、オールフラッシュストレージはすでに市場で利用はされているが、ストレージの課題がそれですべて解決できているわけではない。ピュア・ストレージはストレージの世界を根本的に変えることを目指している。これはテクノロジー面だけでの話ではなく、ビジネスそのものを変えることであるという。

 現状注目されている高性能なハイエンドストレージのオールフラッシュ化は、じつはまだそれほど市場での数は多くないだろう。一方でミドルおよびその下のローエンドストレージのオールフラッシュ化ニーズは、今後大きな広がりを見せる可能性がある。オールフラッシュ・ストレージの主戦場は、ある意味このミドル以下のボリュームゾーンだと言ってもいいだろう。そんなミッドレンジ市場で存在感を示しているのが、新興ベンダーのピュア・ストレージであり「ミドルサイズのブロックストレージでは、ピュア・ストレージの評価はかなりいいものがあります」(山田氏)

 ミドルレンジ以下を求める顧客も、大量な非構造化データを高速に扱いたいとの要求は同じだ。むしろ、この領域の顧客のほうが技術リソースの確保が難しい状況もあり、よりシンプルで安価なファイルストレージを求めている。こういった顧客にニーズに応えるのが、今回発表したFlashBladeというわけだ。

 FlashBladeは、ブレード型のオールフラッシュ・ファイルストレージで、スケールアウトによる拡張性が特長だ。4Uサイズのシャーシに15台のブレードを搭載することができる。1台のブレードには、SSDではなく専用の5テラバイト、または52テラバイトのフラッシュディスクを搭載できる。圧縮や重複排除を行うことで、1つのシャーシの最大実効容量は16ペタバイト(非圧縮容量は792テラバイト)となる。シャーシを追加すれば、数10ペタバイト規模まで拡張可能だ。

 シャーシに搭載されるブレードには、スケールアウト型のフラッシュストレージを効率的に制御するために独自開発した「Elasticity Software」が搭載されており、それを動かすためのインテルXeonプロセッサー、さらにはARMコア搭載のFPGAも実装されている。これに加え突然の停電時にも書き込みデータを保護できるよう、非圧縮フラッシュチップ、DRAM、NV-RAMも搭載されている。ブレード内でのCPUとフラッシュチップはPCIeで接続される。

 ソフトウェアのElasticityには、スケールアウトの制御を行うElastic Coreがあり、ここにはフラッシュチップの信頼性の確保やエラー回復を行う機能、さらにはデータ削減、スナップショット、暗号化機能なども含まれている。ストレージに接続するプロトコルとしてはNFS、オブジェクトをサポートしており、CIFSやHDFSのサポートも予定されている。

 ブレードのシャーシとなるElastic Fabricには、ソフトウェアで制御される40ギガバイト/秒のレイテンシーで接続できるEthernetが内蔵され、ブレード間、シャーシ間の接続に利用される。ソフトウェア制御により、クライアントからの接続のQoSやロードバランシング機能なども提供される。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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