止めたくないシステムの移行も安全、安心に
もう1つ興味深い活用方法が、データベースの移行だ。全日空の事例では、SAP R3をSAP ERP 6に移行する際にSharePlexを活用した。
「機体整備のためのシステムで、止めることができませんでした。しかし正規の移行方法では50時間ほどの時間がかかる。そこでSharePlexを使ってシステムを一旦停止し、ある時点のデータを複製してERPの新バージョンへの移行を開始します。50時間の移行中も旧システムを稼働させておき、移行が終了したらSharePlexを再び用いて更新中に発生した旧システムのトランザクションを新システムに反映させたのです。これでシステムの停止は合計6時間で済み、飛行機の運航にも影響は出ませんでした」(青木氏)
SAP ERPでは、今後はOracle DatabaseからSAP HANAへの移行も増えそうだ。OracleのバージョンアップであればOracle社もサポートしてくれるが、他のデータベースへの移行ではそうも行かない。そんな際にもSharePlexなら、SAP HANAへのレプリケーションを正式にサポートしているのは心強い。
もう1つシステム移行時の保険としてもSharePlexが活用できる。Dellでは、SharePlexを使いグローバルCRMシステムの移行を行った。移行後、万が一新システムで問題が発生しても問題無きよう、新システムのトランザクションを旧システムにSharePlexで戻しておき、いつでも旧システムに戻れるようにしたのだ。
「世の中には、止まると何億円ものコストが発生するシステムがたくさんあります。それらの移行では、なるべくシステムは止めたくありません。止めない移行への要求もかなり高いものがあります」と青木氏。その際に一方通行の移行だけでなく、新から旧へデータを戻せ、同期を直す機能を標準で持っている点もSharePlexの評価が高いところとなっている。
「中堅中小企業の企業も、諦めてほしくないです」――そう青木氏は語る。
止めない移行やリアルタイムな分析環境、さらに災害対策構成などは、大企業だけが利用するものではない。SharePlexは大企業向けだけでなく中堅中小企業の運用するデータベースも対象だ。コンサルタントやSIの力に頼らずとも、情報システム部門自らが運用できる使いやすいGUIツールなども用意しているので、データベースの新たな活用を考えているのであれば、企業規模の大小を問わず、ぜひ一度SharePlexを検討してみてほしい。
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