DB Online Day 2016で「ためらっていませんか? PostgreSQLの適用 - 押さえておきたいポイントと適用事例」と題し講演を行ったのは、富士通株式会社 ミドルウェア事業本部 データマネジメントミドルウェア事業部 アシスタントマネージャーの佐野哲也氏だ。佐野氏は、PostgreSQLの業務システム適用に向けた富士通の取り組みや、市場におけるPostgreSQLの活用動向、そしてビジネス革新のためのPostgreSQL活用方法について事例をもとに解説した。
OSSの活用がビジネスイノベーションの鍵

ICT投資予算がなかなか増えない一方、企業が取り扱うデータは刻々と増え続けている。また、データ分析や機械学習等への期待の高まりもあり、データベースに関する要件が増えている。その上、ICT部門にはビジネスのイノベーションも求められる。そんな状況下で効果を発揮するのが、OSS(オープンソースソフトウェア)だという。
「これまでOSSの活用目的は、主にコストを削減するためでしたが、今後はイノベーションのためにOSSを活用すべきという機運が高まっています」(佐野氏)
OSS製品の中でも、富士通が推進しているのがリレーショナル・データベースのPostgreSQLだ。PostgreSQLは開発体制もフラットで新しい技術を取り込もうというコミュニティの意向が比較的ダイレクトに反映されている。
ビジネスイノベーションに活用するOSSデータベースとして、オープンなコミュニティで発展してきたPostgreSQLが最適な理由は何だろう。
1つ目には、コミュニティ活動が盛んで、新機能、新技術の積極的な開発が行われていることが挙げられる。そして、2つ目は、機能面でも性能面でも商用製品に見劣りしないことが挙げられる。
PostgreSQLは様々なエンハンスにより、そのポテンシャルを高めている。富士通では、13年前からPostgreSQLの機能開発に取り組んできた。かつてあったバキューム処理による性能低下問題もバージョン8.1ですでに解消しており、ストリーミング・レプリケーション機能などで信頼性も向上、さらにCPUスケール対応など性能面もかなり向上している。「いよいよビジネスで本格的に使えるデータベースになっています」と佐野氏は語る。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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