移行アセスメントを実施しPostgreSQLの活用をサポート
これらの事例の実現過程で重要なのは、「どのようにして移行するか」だ。そこで、富士通では移行アセスメントから顧客をサポートしている。
「他社データベースとの互換機能を使って、そのまま移行してしまう手もあります。しかしそれだと、データベースの器が変わるだけで中身がオープン化されないことになります」と佐野氏は語る。富士通では、ユーザーとグランドデザインを共有したうえでアセスメントを行い、移行のための工数やコストを明らかにする。ユーザーには、アセスメント結果をもとに書き換えてオープン化したほうがよいか、互換機能を使用してそのまま移行したほうがよいか、判断してもらう。富士通ではPostgreSQLに関する教育サービスも提供しており、PostgreSQLを十分に活用できる体制作りまでサポートしている。
またPostgreSQLへの移行、新規導入を進める上では、サポート期間もポイントの1つになる。PostgreSQLは新しいバージョンの提供が開始されると、そこから5年間が基本である。しかし、これではエンタープライズのシステムとしては十分ではないので、富士通では製品の販売終了後5年間のサポートに加え、延長サポートによる10年以上の長期サポートサービスも提供している。
もう1つのサポートの問題が、OSSを組み合わせた場合の動作保証だ。さまざまなOSSを組み合わせて使えるのは大きな利点だが、サポート体制の整備や各OSSごとのパッチ提供状況なども考慮できないと、企業での採用はなかなか厳しい。
「富士通ではお客様が安心してPostgreSQLを活用できるように、富士通の技術でOSSのPostgreSQLを補完し、これをSymfoware Server(PostgreSQL)として世に提供しています。これと長期サポートを組み合わせることで、お客様が安心してOSS製品を活用できるようにしています」(佐野氏)
PostgreSQL活用の際に重要なのは、中長期的にOSSのPostgreSQLの良さをいかにして引き出すか、そしてユーザー自身のPostgreSQLのスキルをどのよう向上させていくかにある。PostgreSQLの長期にわたる経験と、サポートも充実している点が、富士通の優位性だといえよう。