HPEによるJDVの導入アプローチ
――このJDVに関するレッドハットとHPEとのアライアンスの経緯について、簡単に教えていただけますか。
河野氏 JDV自体はすでに10年以上の実績がある製品で、米国では当初から技術者レベルで密接な協業を続けてきました。日本市場向けにJDVがリリースされたのは2011年ですが、そのときにもいち早くHPEさんに検証を行っていただき、その結果を両社でホワイトペーパーにまとめて公開しました。その後も両社の日本法人の技術者や担当者同士で密接に連携しながら、さまざまな取り組みを続けています(参考記事:『データベースの仮想化は、複数データソースからシングルビューを構成する新たな手法』)。
――日本企業では、どのような企業がデータ仮想化製品を導入しているのでしょうか。
諸橋氏 お客様企業の規模や業態はまちまちです。JDVのようなソリューションは業界や規模を問わず、複数のデータソースを統合して扱う必要があるさまざまな企業で導入されています。
――どのような流れでデータ仮想化製品を導入されるケースが多いのでしょうか。
諸橋氏 お客様からいくつかのデータ統合の話や異種データ連携の話をいただいた時や、「統合したら、データベースが拡大しすぎてて」とか、「そこらじゅうにデータが分散してしまったのを何とかしたい」と思っているお客様にご提案します。
その後、様々な検討を重ねた結果、JDVを入れるメリットがあると判断された時に導入していただく、という流れです。お客様ととことん付き合って適切なものをご提案するのが、私たちコンサルタントです。それを生業にしている以上、無理矢理「一つの製品が良いですよ」とは話しません。
――言い換えれば、データ仮想化以外のソリューションや製品を持っているので、顧客に対して柔軟に対応できる。そんなところもHPEの強みであるということですね。こうした選択肢の一つとしてデータ仮想化があり、実際に利用する企業も増えてきているということですね。
諸橋氏 たとえば、データウェアハウスを作っている部署の意見が強いと、そこに全部統合させればいいという話になりやすいです。そうすると残ったデータベースが、他のデータサービスで連携できたりもします。また、主管が変わってしまったために、別の製品を選択する場合もあります。
しかし、データモデルを可視化する機能は他の製品にはありませんので、データスチュワードなどデータ管理に求められる要素として必要なのであれば、JDVが選択されると思います。
――顧客に提案する際において、具体的にはレッドハットのSEとHPEのコンサルタントが一緒になって提案活動をされるのでしょうか。
河野氏 はい。お客様の要件を聞いて共同でサンプルを作成したり提案書を作成することもあります。
諸橋氏 お客様から傾聴した内容を整理している段階から、両社が一緒になってテストパターンを考えたり、PoC(概念実証)などを行って、実現したいシステムのコンセプトをお客様と議論して、形にして……という流れです。
――HPEとレッドハットが協業し、こうした形で両社が密に活動されていることで、顧客が安心するというメリットやJDVの導入価値も高まりそうですね。
諸橋氏 一緒に提案活動ができるということだけではなく、そこに至る過程においても両社で取り組める、という前提で自信を持って提案活動ができるため、私たちも安心感があります。
――具体的にはどのようなサービスやメニューなどが用意されているのでしょうか。
高橋氏 わたしたちは、JDVをはじめとしたレッドハットの製品や、各種データベースのPoCや導入・技術支援のサービスを幅広く行っています。当然のことですが、提案に際してはお客様の既存のデータベース環境などをヒアリングさせていただいたうえで、ご要望にマッチしたソリューションを提案しています。また、JDVを評価したいというお客様に対しては、PoCの支援を行うようなサービスも提供することが可能です。まずは気軽にご相談いただければと思います。
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