
テキストや画像が中心だったインターネット上のコンテンツは、ここ最近映像の割合がかなり増えている。また既存の電波を使った放送だけでなく、インターネットを使ったサブスクリプション型の映像配信サービスも台頭している。このように映像コンテンツを取り巻く環境が大きく変化する中、クラウド型のビデオストリーミングサービスが今後は重要となる。マイクロソフトの動画配信基盤サービス「Azure Media Services」を担当しているマーティン・ウォール氏に、最新のビデオストリーミングサービスのビジネスについて話を訊いた。
放送局だけでなく一般企業も映像コンテンツを活用する時代に
――Microsoft Azureのクラウドの中で、Azure Media Servicesはどのような位置づけのサービスですか?

米Microsoft 社 Azure Media Services プリンシパル・プログラム・マネージャー
マーティン・ウォール(Martin Wahl)氏
ビデオストリーミングサービスのAzure Media Servicesは、成長を続けるAzureクラウドプラットフォームの一部です。当初から放送局やコンテンツオーナー向けに、モバイルデバイスなどで快適に映像を視聴できるようにしています。ロンドン五輪のころからサービスを提供しており、その後の4年間でビデオストリーミング市場も大きく変化しています。
1つがデバイスの爆発的な増加です。インターネットに接続してビデオ映像が観られるデバイスが、今は70億台もあります。2018年までには、インターネット上の90%のトラフィックがビデオになるとの予測もあります。
もう1つの変化が、放送局やコンテンツオーナーだけでなく政府や教育機関、金融、医療、小売りに至るさまざまな業界で、映像コンテンツが日々の業務の一部になっていることです。映像を扱う大きなプレイヤーが増えており、今やAzure Media Servicesの顧客タイプは多種多様です。それに対応するために、我々もサービスの内容やキャパシティを拡大しています。
――顧客が多様化したことで、具体的にAzure Media Servicesはどのように変化していますか?
まずは、サービス提供のコストが安くなりました。録画された映像だけでなくライブ配信も増えていますが、その際の提供のコストもかなり安価です。また放送局などもともとビデオ配信技術を持っている企業でなくても利用できるよう、映像配信のための技術が整ってきたことがあります。映像コンテンツは販売されるものもあれば、企業内で共有するものもあります。そういった利用の仕方の違いにも対応できるようになっています。
もう1つ重要なのが、どのデバイスでも、どの国や地域でも、さらにはどんな人数にも映像コンテンツを提供できることです。そのために世界中の30地域にあるデータセンターでサービスを展開しています。我々のサービスはWindowsの端末以外にも、AppleやAndroidのスマートフォンやタブレット、スマートテレビやゲームコンソールでも視聴できます。我々はアカマイやベライゾンなどパートナーとも協力して、”Any Device, Any Country"でサービスを快適に使えるようにしています。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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