「官民データ活用推進基本法」は超党派の取り組み—2000個問題解決にも大きく寄与する法律―高井氏
高井:はい、ご紹介をいただきました、民進党の衆議院議員で民進党の情報通信議員連盟の事務局長をしております高井です。よろしくお願いいたします。
平井先生の口癖で、ICTの分野はもう与野党がないんだと、よくおっしゃっていただいております。我々野党も一緒になってこの法案については取り組ませていただきました。実は、私たち民進党は民主党政権の時に、この法案の骨格になっております行政手続きのオンライン化原則、デジタルファースト、あるいは情報システムの企画の整備、自治体毎にそれぞれ違うシステムの標準化・互換性の確保を求めてきました。
そのさらに7年前の2002年に韓国で電子政府法というのができました。その時に韓国はいち早くすすめてきたわけですが、なかなか我が国ではできてきませんでした。これを2009年に、当時の原口総務大臣のもとで、我々、閣法でやろうとしたことがありました。しかし、この分野、閣法になりますとそれぞれの省庁の抵抗がなかなか激しく、進まないと言うことで頓挫をしてしまいました。
そして、今回、自民党政権に変わりまして、新たに官民データ、ビックデータ、オープンデータという新たな課題も含めてこの法律が出し直されました。我々は本当に重要な法案だということで、なんとか成立させたいと考えておりました。しかし、なかなか担当する委員会の内閣委員会がIR法案はじめ与野党対決の法案が多く、私も一時あきらめかけたこともありました。けれども、本当に針の穴を通すような作業で、なんとか通すことができたということです。
民進党の中で議論の過程では、民進党の中にはまだまだ個人情報保護について非常に重きを置く方々もおりました。あるいは、地方自治体にビックデータ、オープンデータの計画を作らせるという義務規定も入っておりまして、こういった部分で自治体に負担になるのではないかと、あるいは地方自治に反するのではないかと、そういうICT業界の皆さんとは違った立場の意見を言う国会議員もたくさんおりました。こういった人たちを説得し、平井先生、濱村先生もご了解いただいて、法案の修文も多少させていただきました。
個人情報保護を、当初、「配慮しつつ」といったものを「保護しつつ」と少し強めた、地方自治体の市町村まで全部計画を作るというのは小さな自治体は無理じゃないかということで努力規定とし記述も弱めた、あるいは、国が、地方自治体が計画を作るにあたって様々な助言をするというのを新たに附則に加えたと、こういった修正をしました。これによって、我が党内としても全会一致でこの法律は通そうということで、なんとか昨日、参議院で通すことができました。今日の本来のテーマでもある2000個問題にも大きく寄与する法律だと自負をしております。以上です。
森田:はい、ありがとうございました。それでは、足立先生よろしくお願いします。
地方分権を唱えている政党として2000個問題の解決含めて、しっかりと取り組んでいく―足立氏
足立:日本維新の会は、この分野を最重要テーマの一つとして党として位置づけています。ただ、技術的な問題もあるし、法律的な問題もある大変難しい分野です。先ほど高井先生の方から内閣委員会でIRが取り上げられていましたが、負けず劣らず、この「官民データ活用推進基本法」がこれから大きな役割を担っていくと思います。日本維新の会としての認識を申し上げると、成長戦略も含めて、あるいは国民の皆様の厚生の増大いうこと、福祉みたいなことも含めて、絶対に前に進めていかなければならないテーマだと思います。
私は実は厚生労働委員会にもずっと所属をしておりました。医療等のデータ等、社会保障も含めて、インフラとして不可欠のテーマで、遅いくらいだと思っています。日本の医療は、財政は公が、医療サービスの提供は民がやっているという世界でも希な皆保険制度を持っている国です。そういう日本において、この官民データ活用を推進していけば、世界のどの国もできないような取り組みができると期待をしています。地方分権を唱えている政党としてこの2000個問題の解決も含めて、日本維新の会として責任感をもって、未来への責任と我々は言っております。しっかりと取り組んでいくことを誓いまして冒頭の発言とさせていただきたいと思います。
森田:どうもありがとうございました。先ほど平井先生の方からお話がございましたように、今後、「官民データ活用推進基本法」に基づきまして、次々と具体的な課題に取り組んでいかなければならないと考えられます。その中でも重要なのが先ほどから出てきております2000個問題であろうかと思います。この2000個問題に少し焦点を当てまして、どのようにお考えか、どう考えていったら良いのか、まず濱村先生から次にご発言をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。