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進化するランサムウェアに今、企業はどのように立ち向かえばいいのか?

今後はセキュリティ対策とデータ保護が融合する

 世間でAcronisがランサムウェア対策に有効だと認識されれば、今度はAcronis自身が攻撃される。この懸念は、他のセキュリティ対策ソフトウェアでも同様だ。これには、Acronisのアプリケーション自身を攻撃から防ぐ「Acronis Active Protection」がある。「バックアップのアーカイブはもちろん、Acronisの構成ファイルやレジストリにも触らせません。振る舞い検知でランサムウェアがアーカイブを暗号化するのも防ぎます。これらの機能により、Acronisのアプリケーションの性善説が担保されます」(佐藤氏)。

▲図:Acronis Active Protection[クリックすると図が拡大します]

 さらに「データ保護を考えれば、改ざん防止機能が確実にバックアップにも入ってきます。今後はセキュリティとデータ保護は融合します。今やセキュリティとデータ保護は同じ土俵にあるのです」とも言う。アクロニス・ジャパン リージョナルプロダクトマネージャの古舘與章氏は「3年前にAcronisのCEO セルゲイ・ベロウゾフが、これからはバックアップが最大のセキュリティ対策になると言っていました。それを突き詰めたら、今のAcronisの姿になることが良く分かります」と述べ、セキュリティ対策の延長線上にデータ保護があると指摘する。

アクロニス・ジャパン リージョナルプロダクトマネージャ 古舘 與章氏

 セキュリティ対策とデータ保護が融合した機能の1つとして、Acronisでは非改ざん性証明のための仕組み「Acronis Notary」を開発した。「バックアップでは、同じ状態に戻せるのが大前提です。データ保護を実践しているベンダーとして、ブロックチェーン技術の中でももっとも強力だと言われているイーサリアムを使いシステムで改ざんがないことを証明しています」と佐藤氏は説明する。

 ITシステムを使い、人々は便利を手に入れるはずだった。ところが今は、セキュリティ対策などの手間が増え不便になっている。「ユーザーに負担を強いる対策は良くありません。Acronisでは、日常の自動バックアップの処理でランサムウェア対策ができます。中小企業など専門家が確保できない環境では、手間なくすぐに使える対策が重要です。Acronis Backupなどは、まさにそういった要求に応えられます」(古舘氏)。

 WannaCryへの対策などをきっかけに、改めてバックアップ、リカバリーについて考えてみてほしいと古舘氏。その上で事業継続も考慮する。そして「旧来のバックアップの運用に満足するのではなく、きちんと戻せるかどうかまで一度試してほしい。そういうことをきっかけに新たにどんな対策をすべきかを考えてくれれば」(佐藤氏)。

 実際に災害などが発生すれば、SIなどのパートナーがすぐに助けてくれるとは限らない。何かあった時に、自分たちの手でどこまで復旧できるのか。そのために今、どんな準備をしておけばいいのか。これらを考えることが、目の前に迫りつつあるランサムウェアの対策にもなり、さらには事業継続計画にも確実につながることになるだろう。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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