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バックアップ屋の手帳から

いまさら聞けないデータ保護手法と考え方、あなたにはどのバックアップが必要か?


バックアップには長期保管目的に使えるか?

 時々受ける質問ですが、データの長期保管が義務付けられているので、バックアップデータを1年といわず5-7年保管する必要があるんだけど、どうすればいいの?と聞かれます。

 そもそもバックアップって長期保管用途なのでしょうか?

 これは人それぞれの受け止め方や要件の違いにより、YesであったりNoであったりします。純粋にはバックアップはデータ取得時点に戻ることが目的であり、一番重要なのはできるだけ最新の状態に戻せることですよね。でも、データのコピーを外部に保管することができるので、長期保管にも利用できるのは確かです。例えば毎週末とか毎月末のデータをバックアップして外部保管すれば長期保管にもなります。

 ただ、週の半ばに作成して削除したデータはどこにも残っていないので、万全とは言えません。あくまでも「ある時点」のデータを長期保管するのには活用できると言えます。

 もし毎日のデータを長期保管する必要がある場合、何世代貯められるのか、保存場所の容量や掛かる時間はどれくらいなのか、また、対象となるデータはどれなのか、をしっかりと確認する必要があるでしょう。

 ちなみに、純粋に長期保管が目的なら、アーカイブを検討することになります。アーカイブとは、データを使用頻度や価値に合わせて適切な場所に保管することを目的とした考え方であり、アーカイブ製品には長期保管に適した機能があります。今回はアーカイブの詳細については割愛しますが、バックアップとアーカイブを組み合わせることで一番要件に合った仕組みが作れるのではないでしょうか。

 いかがでしたでしょうか。普段あまり気にかけることがないかもしれませんが、ちょっとデータ保護について要件を見直してみてもいいのではないでしょうか。

 今や、私たちはITに囲まれています。あって当たり前のITを正しく維持できれば、生活もよりいっそう安心なものになるでしょう。今回はここまでとさせて頂きます。また次回に乞うご期待。

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この記事の著者

吉田幸春(ヨシダ ユキハル)

ヴィーム・ソフトウェア株式会社
システムズ・エンジニアリング・マネージャー1996年よりIT業界に携わり、主にハードウェア及びソフトウェアベンダーでのプリセールス経験を持つ。その他にも金融機関において海外拠点でのインフラ構築や、ハードウェアベンダーにおける研究棟のインフラ管理を担当した。 2015年7...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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