Tokyo Dell EMC Forum 2017開催!
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ザ・プリンスパークタワー東京 | 2017年10月26日(木)
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オールフラッシュはもう「標準」、信頼性とコストで有利
いま企業に実在するITシステムやアプリケーションの多くはITをビジネスに合わせて最適化したものとなる。ここ十数年ほどかけて磨き上げてきたものだ。ところが近年ではITそのものがビジネスとなるデジタルトランスフォーメーションが起きている。これには3つのフェーズがあり、まずはモダナイズ、そして自動化、変革へと続く。
手始めとなるモダナイズは最新鋭化とも言い換えられる。なかでも重要なのがインフラストラクチャを最新鋭化すること。最新鋭のデータセンターで鍵となる要素は4つある。スケールアウト、ソフトウェアデファインド、クラウド対応、そしてオールフラッシュだ。加えてこれら全体で信頼性とセキュリティも確保されている必要がある。
森山氏はストレージをオールフラッシュにする理由を信頼性とコストで説明した。まず信頼性。SSDはハードディスク(HDD)と比較にならないほど故障が少ない。例えば年間6本のドライブ故障が起きたとすると4年間で生じる作業コストは推計700万円ほど(2ヶ月に1本故障し、対応する作業員が2名で関連するシステムが8つと仮定)。HDDならこの程度の作業コストを見込まなくてはならない。
しかしSSDならほぼドライブ故障は起こりえない。森山氏は「弊社のオールフラッシュストレージは国内で約12,000ドライブが稼働しており、約3年間の交換事例はたった1件です」と話す。それだけSSDは信頼性が高いと言える。
故障はリスクでもある。部品交換が生じた時、時間が過ぎれば部品交換ができない場合も起こりうる。森山氏は「ハードディスクでは将来性に大きな不安があります」と言う。
そしてコストだ。近年HDDの容量単価は下げ止まっている一方、SSDは年々下落している。今のところまだSSDはHDDより高いものの、東芝の発表によると高密度化技術が進みNANDフラッシュメモリーのコストが下がるとHDDよりも容量単価が低いSSDが実現する可能性がある。2020年前後にはアーカイブSSDの価格がSASのHDDを下回る見通しだ。
コストはランニングコストも加味しなくてはならない。先述した故障を含め、容量あたりのランニングコストは2016年にSSDとHDDは逆転し、SSDのほうが下回っている。ほかにもSSDではHDDに比べると消費電力や発熱量が圧倒的に少なく、コスト削減ができる点が多くある。DELL EMCのフラッシュ製品ならインライン重複排除やデータ圧縮があるため、必要なストレージ容量を大幅に抑え、書き込み量も減らせる。
あるデータセンターでは1200本以上のハードディスクを6ラックで運用していた。消費電力は37.4kVA、65,000 IOPSだったところ、オールフラッシュ製品(XtremIO)に換えたところ1/3ラック、1.85kVA、300,000 IOPSとなった。性能向上でバッチ処理の時間が短縮し、省電力、省スペース、運用負荷軽減、インフラ簡素化などが実現できた。
森山氏は「これからのデータセンターで、オールフラッシュ以外の選択肢はないだろう」と話す。昨年DELL EMCはプライマリストレージで「2016年はオールフラッシュの年」と始まりを宣言していたが、今年は「2017年、フラッシュはニューノーマル」ともうオールフラッシュが標準であると断定している。
DELL EMCオールフラッシュの新製品の改善点や新機能は?
DELL EMCはオールフラッシュ筐体市場において、最も勢いよく成長している。IDCの調査によると、2016年第4四半期における売上の内訳で見るとDELL EMCが38%を占めており、2位の倍以上である。ここからは「Dell EMC World 2017」で発表されたフラッシュ製品群について見ていこう。
まずはVMAX 950FとVMAX 590FX、ハイエンド中のハイエンドモデルだ。VMAXはもともとIBMのメインフレーム用キャッシュ搭載ディスクアレイからはじまり、20年以上にわたりミッションクリティカル環境を支え続けてきたSymmetrixブランドがもとになっている。
これまでVMAXのオールフラッシュ製品の最上位となるVMAX 850Fと比較すると、今回発表された新製品はIOPSで68%、レスポンスタイムで30%向上するなど、性能の高さが目立つ。最大4PBの有効容量、192個のFC/FICON/iSCSIポートで最大192のフロントエンド接続まで拡張できる。
次にXtremIO X2。現在最も勢いがあるオールフラッシュ製品XtremIOの次世代版という位置づけで提供される。XtremIOはリアルタイム重複排除やデータ圧縮などで安定した性能、圧倒的なデータ削減効果、スケールアウトができるアーキテクチャが特徴だ。
次世代版となるXtremIO X2では(現状のベータ版で)80%のレスポンスタイム改善、25%データ削減率向上、TCOは1/3削減を実現できる。拡張時にはこれまでのスケールアウトだけではなくスケールアップも選べるようになった。スケールアップするならX-Brickあたり138TBまで拡張できて、スケールアウトは8つまでX-Brickを拡張できるため最大で1.1PB。圧縮などを考えれば実効容量は5.5PBとなる。
ミッドレンジでもオールフラッシュの新製品が発表になった。Unityでは650F、550F、450F、350F。オールフラッシュ向けに最適化されたパフォーマンスとシンプルさが特徴だ。ファイルのインライン圧縮により4倍の容量のファイルを保存できる。ドライブのプールを動的に拡張できるため、スペース使用率を高め、再構築時間を短縮できるなどTCOをシンプルかつ低減できる。SCシリーズではSC5020、さらに2017年後半にはSCv30X0が追加になる。SC5020はIOPSで45%向上している。3Uのドライブベイに30本までディスクドライブを搭載可能だ。
これまで述べてきたように、DELL EMCは幅広いストレージ製品を展開している。むしろ多すぎて「どれが最適か分からない」と悩んでしまうほどだ。そこでDELL EMCでは各種アセスメントサービスも行っている。例えば実際の環境にて新たなDELL EMC製品に置き換えた場合のデータ削減効果、コスト効果、性能のKPIを無料で査定する。所定の構成情報や性能情報ファイルから査定する。管理情報から査定するので、実際のデータの中身まで見ることはないのでセキュリティ的に安心だ。
また「DELL EMCオールフラッシュ容量保証プログラム」では、指定の製品において、購入済み構成で使用可能な物理容量の4倍以上の論理ストレージ容量が保証される。購入するべき容量の判断に役立つ。
今後はソフトウェアデファインドのストレージ製品も予定されている。ソフトウェア デファインド ブロック ストレージのScaleIOとオブジェクト ストレージのECSはともに2017年後半に次期版の正式リリースを予定している。次期版は「ScaleIO.NEXT」と「ECS.NEXT」だ。前者はインライン圧縮やスナップショット機能が改善されており、粒度の細かいプロビジョニングや効率性の改善などが盛り込まれている。また後者はより高密度となり、エンタープライズ機能の拡張が行われている。もう1つ、2018年に正式版リリースを予定している「Project Nautilus」は大規模なストリーミングデータをIsilonまたはECSに格納し、ストリーミングデータをリアルタイムに分析するためのソリューションとなる。