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週刊DBオンライン 谷川耕一

クラウドだけではないOracle Analytics Cloudの強味とは


 企業のITに求められるものが、業務のプロセスを効率化してコスト削減するところから、ビジネスに新たな価値を生み出すところにシフトしつつある。そのための方策の1つとして良く話題になるのが「セルフサービスBI」だ。IT部門が主導し事業企画部門などの特定の人たちにデータ分析する環境を提供するのではなく、各ビジネス現場にいるスタッフなどが必要なデータを自ら取得し、それを基に自分たちの業務に関する意思決定の支援をするのだ。

クラウドで軽やかに展開してオンプレミスも柔軟に取り込む

 ERPのアプリケーションなどから生まれる、種別などがそれほど変化することのないデータであれば、IT部門が主導しレポートによる可視化やアドホックな分析を行なう環境を整えるのもいいだろう。つまり経営層向けの経営ダッシュボードや、事業企画部門向けに業績の分析や予測をするような環境は、それなりの規模の予算を計上してデータウェアハウスを構築して使い安いBIツールをIT主導で導入するというのは、いまだ多くの企業が活用しているはず。

 一方でニーズが出てきているとはいえ、セルフサービスBIであらゆるビジネス現場において自らデータ活用を行えるような環境を用意できている企業は、まだ少ないだろう。セルフサービスBIのコンセプトは理解できるけれど、実際にそれを導入してどれだけの効果が出るかが見えにくいのも普及が進みにくい原因だろう。

 そうなると、なるべく安価にセルフサービスBIの環境が実現できないか。その上で、IT部門が手厚くサポートしなくても運用できる環境を求めることになる。

「セルフサービスBIを実現するには、クラウドでという選択肢を選ぶことになります」と語るのは、日本オラクル株式会社 製品戦略統括本部 プロダクトマーケティング本部 Cloud & Big Data推進部 データベース事業統括 部長の佐藤裕之氏だ。

 クラウドでセルフサービスBIを実現しようとした際に、課題となるのがデータソースがさまざまなところに分散していること。オンプレミスのシステムもあれば、IoTなどでクラウド上に集めたデータを分析したいかもしれない。さらには、SaaSなど外部のサービスのデータを取り込みたい場合もあるだろう。これらからデータソースのデータを適宜収集して加工し、データの可視化をまず行い、次に柔軟にデータ分析ができる環境も提供する。

 これら一連の作業全てをサポートできないと、なかなかセルフサービスBIの実現には至らない。それに対してOracleでは、クラウドベースの仕組みであるOracle Analytics Cloudで、一連のデータ活用の作業全てをサポートする。たとえばジュピターショップチャンネルのケースでは、プライベートDMPをOracle Analytics Cloudを活用して実現した。

 同社ではナーチャリングなどのデジタルマーケティングの仕組みはOracle以外のサービスを利用しており、顧客との取引情報などを蓄積したデータウェアハウスはオンプレミス環境で運用している。これら運用環境の異なるシステムをデータソースにし、主に多くのスタッフが利用するデータの可視化部分はクラウドベースの「Oracle Data Visualization Cloud」で広く社内に配布した。また、Rなどを用い高度なデータ分析を行う環境については、デスクトップ版のツールで実現している。Oracle Analytics Cloudの場合は、クラウドサービスを謳いながらデスクトップ版やサーバー版のツールも提供しているため、用途や機密性に応じそれぞれを使い分けることができる。

 ここ最近、ジュピターショップチャンネルのように、プライベートDMPの形でマーケティングに活用するデータをまとめ上げる動きは多い。とはいえ、これをいざ実現しようとすると、オンプレミスやクラウドなどにソースとなるデータが散らばっており、簡単にはデータをクラウド上に収集できないといいう現実がある。

 データを活用する環境も、クラウド上で軽やかに可視化したい職種もあれば、手元のデスクトップで高度な分析をじっくり行いたい職種もある。それぞれの環境に合わせたBIツールを別々に導入するのもコスト、IT部門の手間の面でもハードルが高くなる。

 たしかに初期費用を抑えてデータの可視化の環境を広く配布するには、クラウドは向いてはいる。とはいえ、ユーザー数が増えていけば、どこかでオンプレミス運用のほうが安価になる限界点も訪れる。また顧客データなどをクラウドに置かない社内規定を作っている企業もあり、そういった場合には開発は軽やかにクラウドで行なうが、本番の運用はオンプレミスやプライベートクラウドベースでという企業もある。そういったさまざまな要望に柔軟に応えられるのが、Oracle Analytics Cloudの強味だと佐藤氏は強調する。

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 また、既存の分析環境をクラウド化することにも対応している。Oracle Analytics Cloudには、多次元データベース環境のOracle Essbaseも新たに加わり、既存のオンプレミス環境でEssbaseを活用してきたような顧客が、ハードウェア更新などのタイミングを機にクラウド化したいといった要望にも十分に応えられるようになったのだ。

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 さらに買収したビッグデータの分析ソリューションのEndecaもリライトされ、Oracle Endeca Information Discoveryという形でOracleのソリューションとして新たなスタートを切っている。これを使うことで構造化、非構造化のモダンなビッグデータ分析の環境を、従来のBIの環境と一緒にして利用できるようにもなる。

次のページ
クラウド上でのデータ活用の市場はさらに競争が厳しくなる

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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