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製薬企業が“グローバル・エクセレンス”になるために取り組むべきこと

前回は、製薬業界における規制の高度化による製薬企業と委託先の苦闘について解説した。今回は、その様な状況化において製薬企業が業務のさらなる向上のために取り組むべき活動および実行にあたっての注意点について解説する(本内容は、製薬企業だけに限らず他業界にも適用できる内容である)。今までの連載はこちら

製薬業界が「グローバル・エクセレンス」になるための3ステップ

 近年、多くの製薬企業が「安全性情報の管理業務における目指すべき姿」について検討している。

 医薬品を海外展開している場合、製薬企業の最終的なゴールは、「グローバル・エクセレンス」となること。言葉でいうのは簡単であるが、実際に推進しようとするとそのハードルの高さがすぐに分かる。製薬業界の主要なマーケットは、アメリカ・欧州・日本の3極であり、「グローバル・エクセレンス」を目指すためには、3極の業務の統合が求められる。アメリカと欧州では多くの場合において既に業務がスタンダード化されていることが多く、あとは日本がそこにどれだけ入れるかになるが、規制・文化・言語等の違いが統合を難しくしている。

 弊社ベイカレント・コンサルティングの経験では、「グローバル・エクセレンス」を目指すに当たっては“3つの段階”があると考えている。

図表1:安全性情報の管理業務における目指すべき姿

 国内の製薬企業については、現在、多くの企業が「ローカル・スタンダード」のステージから次を目指そうとしている。ただし、次のステージにいくためには、単純な改善ではなくいわば「変革」が必要なため、なかなか駆け上がっていけないのが実情である。

 そのようななか、近年、システムの刷新により一気にステージ3を目指すという動きも出てきている。どのように業務を向上させていくかは各社の選択となるが、ここからは「ローカル・スタンダード」から次のステージに上がっていくために取り組むべき活動にフォーカスをあてて話をすすめていくこととする。

 目の前に多くの課題がある場合、往々にしていっぺんに多くのことを改善したくなるものである。一方で、課題を構造化して根本原因を探ると、解決すべき課題は割と限られるものである。

 製薬企業における安全性情報の管理業務においても同様であり、第一歩目の改善活動として取り組むべきテーマは以下があげられる。

業務プロセスの効率化・シンプル化

 規制要件の変更への対応、委託先との不明確な役割分担等により構築されたつぎはぎだらけのプロセスをいかに効率化・シンプル化するか

委託先の管理方法の見直し

 痒いところまで手が届く委託先への依存などによる受け身の体制から、いかに能動的に管理を行う体制に変わるか

プロセス全体の管理体制構築

 日々の業務に追われて感覚的にしか管理できていない体制から、いかにファクト(データ)に基づいた管理を行う体制に変わるか

 これらの取り組みテーマは、全て関連しているが、実施する順番に決まりはなく、各社の状態に合わせて個々に対応していくこともできる。

 また、最後に解説するが、上記テーマに加えて大事になるのが、十分なチェンジ・マネジメント(業務の改革などを成功に導くためのマネジメント手法)を同時に行っていくことである。

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著者プロフィール

  • ベイカレント・コンサルティング 大池 拓(オオイケ タク)

    株式会社ベイカレント・コンサルティング パートナー GEキャピタル(ブラック・ベルト)、国内独立系・外資系コンサルティング・フ ァームを経て、2012年にベイカレント・コンサルティングに入社。 製薬・消費財・食品・金融など幅広い業界で事業デューデリジェンス、事業戦略 の策定・実行、営業力強化などに...

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