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週刊DBオンライン 谷川耕一

実はSASはAIのど真ん中のプレイヤー、実績のあるアナリティクスの延長線上にAIを位置づけられる強み

 データを集めそれを分析し活用する、企業にとってアナリティクスが重要であることはもはや疑う余地はない。そんなアナリティクスのための製品、サービスを創業以来ずっと提供しているのがSASだ。日本市場には強いアナリティクスに対する需要があり、SAS Institute Japanのビジネスは2桁成長していると言うのは、SAS Institute Japan 代表取締役社長 兼 SAS Institute Inc. 日本・韓国地域統括バイスプレジデントの堀田徹哉氏だ。堀田氏は2018年のビジネス戦略の説明会冒頭で、自社ビジネスの状況がかなり順調であるとアピールした。

AI/IoTが構想や実証実験から実装段階に

 市場におけるAIへの関心の高さも、SASのビジネスには追い風となっている。さらにSASというとソフトウェアのイメージが強いが、サービスビジネスも好調だ。昨年度は、ビジネスの拡大につながる新規のライセンス売り上げがまずは伸びた。さらに、SASはサブスクリプション型のライセンス体系となっているので、ビジネスの堅調さを表すことになるソフトウェア・ライセンスの継続の売り上げも伸びた。そしてこれらに加え、サービスの売り上が伸びているというわけだ。

 業種では元々同社が得意としている、金融業、証券、保険などが好調だ。加えてデジタル革命の広がりが製造や小売業にも波及し、これらの業種のビジネスもSAS全体の成長を牽引している。「昨年インダストリー軸とソリューション軸を融合させていくと言いましたが、それが当たりました」と堀田氏。各インダストリーにまんべんなくビジネスが広がっており、それがSAS Japanのビジネス基盤の広がりにもつながっている。

 質的な面からのアナリティクスの高度化も、SASが注力しているテーマだ。その1つがAI/IoTのソリューションということになる。「これらを活用したソリューションが、構想や実証実験から実装段階になっています。AIやIoTが実際のビジネスに効果をもたらすに至っている」(堀田氏)

SAS Institute Japan 代表取締役社長 兼 SAS Institute Inc. 日本・韓国地域統括バイスプレジデントの堀田徹哉氏
SAS Institute Japan 代表取締役社長
兼 SAS Institute Inc. 日本・韓国地域統括バイスプレジデント
堀田徹哉氏

 SASが取り組んでいるAI技術の適用分野としては、金融での不正取引の判定がある。金融機関の不正取引の調査には、人的なリソースをかなりたくさん投入している。この部分にAIを導入し、不正取引の判定の自動化に取り組み効果を上げている。SASの技術を活用することで取引をグレーだと判定した理由を、AIが自動で説明することができる。これにより大幅な省力化が実現できる。

 その他にも「対人で営業対応するところでは、AI技術を使った営業の支援で成約率が飛躍的に上がるといった効果も出ています」と堀田氏。またSAS Viyaには画像の本格的な解析が加わっており、画像解析や音声解析などのAI技術もかなり高度化してきているという。

 もう1つ最近のアナリティクスの世界で特長的なのが、リアルタイム化だ。従来のSASのソリューションでは、大量なデータを分析し結果をバッチ処理的に適用するものが多かった。それがここ最近は、IoTなどの台頭もあり流れてくるデータをリアルタイムに処理したいニーズが出ている。また、さまざまなビジネスの意思決定についても、現場レベルでリアルタイムに実施したいとの要望も多い。

 「アナリティクスをリアルタイムでと言う需要は増えています。工場の生産システム、生産設備などと連動してアナリティクスのモデルが品質の制御をリアルタイムにやるものも出てきています。分析のためのモデルはバッチ処理的に作成し、それをリアルタイムのプロセスに当てはめて使うことになります」(堀田氏)

 不正検知などでも、たとえば口座開設の瞬間にリアルタイムに判定するニーズは高い。バッチから、リアルタイムに流れるビジネスプロセスにアナリティクスを適用する、この流れが確実に出てきていると、堀田氏は指摘する。

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インダストリー向けの提案力、さらに西日本地域の営業体制も強化

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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