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Appleのエンタープライズ参入の追い風となるか?―Apple CEO ティム・クック氏がSAPとのパートナーシップについて語る

AppleとSAPは、iPadやiPhoneなどのiOS端末をビジネス領域で活用する提携を2016年から開始している。その協業の進捗状況を紹介するため、SAPPHIRE NOW 2019の基調講演ステージにはAppleのCEO ティム・クック氏が登壇した。SAPのCEOであるビル・マクダーモット氏によれば、そもそもSAP社内でiPadを活用するアーリーアダプタープログラムのために、2010年からクック氏とは親交があるとのことだ。

iOSの機械学習やARの機能がSAPのアプリケーションでも利用可能に

Apple CEO ティム・クック氏
Apple CEO ティム・クック氏(向かって左)と語らう、
SAP CEO ビル・マクダーモット氏

 「我々のパートナーシップは、極めて上手く進んでいます」とクック氏は語る。両社の協業による取り組みは、ビジネスの中で必要な情報をリアルタイムに提供し、どこにいてもそれを活用できるようにするもの。これを実現することで、適切な情報を使い、適切なタイミングで適切な意思決定ができるようになる。ここにフォーカスした協業を、これまで継続的に行なってきた。

 両者の協業は時間をかけ進化を続けており、その成果の1つとして、Appleが提供している端末上の機械学習技術「CORE ML」が、iOS向けの「SAP Cloud Platform SDK」の一部として利用できるようになったと明らかにされた。これを使えばSAPのERPアプリケーションなどと連携する端末上のアプリケーションでは、カメラ画像からの顔認識や自然言語処理を使った音声入力などの機械学習技術を活用が容易に実現できる。

 またSAP Cloud Platform SDKの次期バージョンを使えば、SAP Leonardoの機能を使ったインテリジェントなiOSアプリケーションを開発することが可能だ。構築した機械学習モデルは、自動的にiPhoneやiPadにダウンロードされる。ダウンロードされるので、アプリケーションがオフラインでも機械学習の機能は実行できる。一度ダウンロードした機械学習モデルは、端末をSAP Cloud Platformに接続すれば動的に更新することも可能だ。

 さらに、iOSの端末で利用できる「AR」機能もSDKに加えられる。これによりiPhoneやiPadを使った拡張現実の機能を、SAPのアプリケーションと連携させて利用できる。クック氏は、小売業者が店舗内で行う在庫管理のスピードの向上や、製品メンテナンスの合理化のために機械学習と拡張現実がどのように利用できるかについて解説した。

 「企業はCORE MLとARの機能が含まれたSDKを使うことで、iOSのデバイスで素晴らしいことが実現できるようになります。生産性や効率性の向上、素晴らしい顧客体験を求めているならば、機械学習とARの技術が重要となります。そしてその際には、モバイルによる機動性も必須です。適切なビジネス上の決定を下すには、適切なタイミングで適切な人に、適切な情報を提供する必要があります。ARと機械学習の技術が、それを可能にする鍵となります。SAPがこれらの機能をSDKに組み込んだために、私たちにできることは無限に広がります」(クック氏)

 SAPではAppleとの提携を通じ、SAP SuccessFactorsやSAP Concurソリューション向けにも、モバイルアプリケーションをSAP Asset Managerとともに再構築し、iOS端末の上でネイティブに動作するようにしている。これらのアプリケーションはiPhoneやiPadと完全に統合されるため、セキュリティ、パフォーマンス、さらにはプラットフォームの新しい機能、能力を最大限に引き出すことができる。この取り組みはまずSAP Aribaから始めて、今後はネイティブにiOSで動作するアプリケーションの対象を拡大していく。

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Appleとの協業はMacのデスクトップ世界にも拡張

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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