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Linux:DebianとFedoraを使用したカーネルカスタマイズ

  2007/09/21 12:00

カーネルオプションについて

 初めてxconfigを開くと、その内容に圧倒されます。現在のLinuxカーネルは非常に大きくなっており、構成にもかなり時間がかかります。この作業の目的は、構成内容を吟味し、不必要なものを取り除き、本当に必要なものだけを採用することなので、腰を落ち着け、少し時間をかけて取り組むことをお勧めします。一度構成を行えば、そのカスタム.configファイルを再利用して、今後のカーネル構築を効率よく進めることができます。新しいカーネルを構築するたびに、そのファイルをソースツリーの最上位レベルのディレクトリにコピーすればいいのです。

 一般的なオプションと必須オプションについては簡単にしか説明しないので、一部の設定についてはご自分で判断してください。xconfigを実行すれば全オプションに関する情報を確認できますし、カーネルソースツリーのDocumentation/ディレクトリには、さまざまな情報がぎっしり詰まっています。

 最初に決めなければならないのは、[Code Maturity Level Options]→[Prompt for development and/or incomplete code/drivers (EXPERIMENTAL)]です。過去の安定したシンプルなカーネルだけが必要な場合、つまり実験的な新機能を使いたくないときは、このオプションは選択しないようにします。新しい実験的機能をテストしたいときは、このオプションを選択します。

 原則として、[Configure standard kernel features (for small systems) (EMBEDDED)]は選択しないでください。ただし、もちろん、カーネル開発者などのように、このオプションが必要であることが確実にわかっていれば、選択してもかまいません。

 [Loadable module support]では、すべてを設定してください。

 [Processor Type and Features]では、パフォーマンスに関する調整を行うことができます。マルチコアまたはマルチプロセッサマシンを実行していない場合は、SMPはオフにします。CPUの種類は適切なものを選択します。さらに、物理RAM容量に対するメモリサポートを選択します。ラップトップコンピュータを実行していない場合は、ラップトップ関係の設定をオフにします。

 [Block layer]では、2テラバイトを超える大きなディスクおよびファイルをサポートできるようにします。

 ラップトップではないシステムについては、[Bus options]でPCMCIA設定をオフにします。

 [Executable File Formats]では、すべてを選択します。

 [Networking]では、Appletalk、Bluetooth、無線、IPXなど、使用しないネットワークプロトコルの選択はすべて解除します。ルータまたはファイアウォール以外のマシンについては、QoSなどのルーティングオプションも削除します。また、Netfilter/iptablesを削除すると、さらにスリム化できます。ただし、本当に不必要なものでない限りは、ネットワークオプションを削除することは避けてください。むやみに削除すると、必要なネットワーク機能が動作しなくなってしまう可能性があります。[IP: kernel level autoconfiguration (IP_PNP)]については、ディスクなしのネットブートを可能にするために有効にしておきます。

 SoekrisやPC Engines WRAPボードなどのルータボードのカーネルを構成している場合は、SATA、SCSI、およびPATAドライブのサポートを削除することを考慮してみてもよいでしょう。これらのドライブをサポートしているルータボードはあまりないからです。

 最後に、ハードウェアとファイルシステムのサポート、暗号化オプション、およびその他のオプションを見直します。暗号化オプションについては、毎日の業務に不可欠なのですべてサポートすることをお勧めします。私ならば、デスクトップコンピュータ上のラップトップ機能、DellやToshibaなど特定のラップトップに関連する機能、および将来的にも絶対に使わないであろう多数のハードウェアドライバを見つけて削除することにかなりの時間を費やすでしょう。

 一般的に、デバッグメッセージの生成に関連する機能はすべてオフにできます。これらは主にカーネルハッカーが必要とする機能であり、その彼らにしても使用しないことがたびたびあります。

参考資料

 カーネルソースに同梱されている豊富なドキュメント類。カーネル開発者からの貴重な情報を入手できます。

  1. Debian Kernel Handbook
  2. KernelNewbies.org
  3. Kernel.org
  4. Compiling a Custom Linux Kernel


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