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直面する大きな課題は「マイナンバーと東京五輪」――国内の高度セキュリティ人材育成を東大から文理融合で

 8月6日、東京大学大学院 情報学環は今年設立した新規寄付講座「セキュア情報化社会研究(SISOC-TOKYO)」グループについて発足メンバーや活動内容について発表した。高度なセキュリティの人材育成や産官学連携による研究会などを通じ、国への政策提言も視野に入れて活動する。

サイバー空間を支配するものが今後の世界で指導的地位を得る

 寄付講座とは寄付により設立された講座ということ。寄付者は組み込み技術に強いディー・ディー・エス 代表取締役社長である三吉野健滋氏。純粋に個人としての寄付だそうだ。とはいえ、私財を投じた寄付者の願いや希望がグループに託されているようだ。  

 グループ長を務める東京大学大学院情報学環 須藤 修 教授(兼担教授)は記者会見の冒頭にあいさつし、高度なセキュリティ人材育成やセキュリティ対策の体制強化が求められている背景を説明し、技術的に対処するだけではなく社会的文化的な側面からも幅広い視野で研究していくという方向性を示した。  

東京大学大学院情報学環 須藤 修 教授(兼担教授)

 より具体的な背景や活動内容は副グループ長であり、東京大学 名誉教授 安田浩氏(特任教授)が説明した。同氏は「人類が活用する空間は陸から始まり、次に海へ、空へ、宇宙空間へと発展を遂げてきました」と切り出した。人類は徐々に行動範囲を広げてきたというわけだ。  

東京大学 名誉教授 安田浩氏(特任教授)

 ところが近年ではWebやサイバー空間という新たな活動領域が生まれた。ここはこれまでとは別の空間であり、「頭をどう使うかが重要となる」という。そして何よりも「サイバー空間を支配するものが今後の世界で指導的地位を得る」と安田氏は予見する。  

 一方、日本におけるサイバーセキュリティに目を向けると、人材不足、国産の技術不足、国全体および産業界の意識がそう高くないのが実情であり、課題である。そうした危機感を共有するメンバーらで設立されたのが今回の「セキュア情報化社会研究(SISOC-TOKYO)」グループだ。アルファベット表記は「Secure Information SOCiety Research Group」の略。  

 昨今のセキュリティ課題に対応するには人材や技術など足りないものを補うだけでは不十分。現状の延長となる技術偏重の枠組みや対処療法だけでは限界があるため、「サイバー空間の課題を再定義」と抜本的な対策を考える必要性もあると安田氏らは考えている。「いかに研究するかではなく、何を研究するかへのシフト」と言い、かなり幅広い視野でとらえようとする姿勢がうかがえる。  

次のページ
文理融合で巨視的にサイバーセキュリティを研究していく

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

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