企業での情報が漏えいは増える一方で、ハッカーの方が1歩先を進んでいるように見えることから、消費者の約5人に2人(38%)が、ほとんどの企業は個人データを保護する方法を理解していないと考えている。
また、消費者は、個人データを保護しない企業にペナルティを与えるために、不買行動やSNSなどに否定的なコメントを投稿するなどといった手段を講じ、逆に、個人データを保護する企業に対しては、企業に報いる行動をとるつもりであることが判明した。
世界中の多くの企業は、個人データを活用して商品やサービスのターゲットユーザーを設定し、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)を向上させようとしている。しかし、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)のような、ユーザー自身のデータに対する権利を強化する厳格なコンプライアンス規制の導入により、多くの消費者は、企業を詳しく調べ、個人データの保護についての説明責任を企業に課している。
企業の個人データ保護は、 消費者の新しい行動基準に
ベリタスが委託し、英3GEM社が実施した調査では、日本を含む14か国の12,500名(うち日本1,000名)が調査の対象となった。調査では、消費者が、個人データを適切に保護している企業を評価し、保護していない企業には、他社で買い物をしたり、ブランドの評判を失墜させるなどして、懲らしめようとしていることがわかった。
約3分の2(グローバル62%、日本63.4%)が「個人データの保護を怠る企業から購入するのをやめる」と回答し、約半数(グローバル48%、日本40.2%)が「そのブランドへのロイヤリティを捨て、 競合他社への変更を検討する」と回答している。
10人に8人(81%)が「友人や家族にその企業からの購入をやめるよう伝える」と回答し、約4分の3(74%)が「その企業を規制当局に通報する」と主張している。また、消費者約3分の2(65%)は「その企業に関して否定的なコメントをオンラインで投稿する」と回答している。
その一方で、消費者は、個人データを適切に保護している企業には、その対応に報いるつもりであることもわかった。 回答者の5人に3人(59%)は「個人データの保護に関して信頼する企業にはより多くのお金を使う」と回答し、4分の1以上(27%)は「データ保護について真剣に考えている企業には最大で25%多く積極的にお金を使う」と回答している。
個人データの収集に関する懸念の増加
個人データの使用および共有方法については関心が高まっているが、調査では、消費者は以下のような個人データについて共有に同意しないことがわかった。
- 収入、住宅ローンなどの個人の資金情報の詳細(グローバル60%、日本67.6%)
- 位置情報(グローバル40%、日本52.6%)
- オンラインでの行動履歴(グローバル40%、日本43%)
- 健康/医療記録に関する詳細(グローバル38%、日本37.9%)
- 性的指向(グローバル28%、日本47%)
- 宗教(グローバル26%、日本29.8%)
さらに消費者は、個人データが企業および第三者と共有される方法について、ますます慎重になっている。10人に9人(92%、日本は96.1%)は「個人データの保護に関して懸念がある」と回答し、回答者の5人に2人(40%、日本は37.7%)は「企業が個人データを使用または共有する方法が可視化されていない」と回答している。また、21%(日本は27.5%)は「個人データの盗難について非常に懸念している」と回答している。