「simMachines」は、世界的に注目される「説明可能AI(Explainable Artificial Intelligence:XAI)」の1つで、「高精度な予測」と「予測に至る解釈の提示」という、従来は両立が難しいとされてきたAI活用における課題を、独自アルゴリズムにより解決したソリューションだという。
現在、AIの主流となっているディープラーニング等の技術は、予測することはできても、なぜその予測に至ったかという根拠を示すことができないため、公的サービスやビジネス上の重要な意思決定など、公平性や透明性が求められる領域への適用がしづらいことが指摘されてきた。
そこで、XAIが世界的に注目されるようになり、2016年8月にXAIへの投資プログラムを発表した米国国防高等研究計画局(DARPA)をはじめ、大学や研究機関などが開発に取り組んでいる。 ISIDは、最先端のXAIソリューションである「simMachines」をラインアップすることにより、幅広い領域でAIの実務適用を加速させ、顧客企業や社会の課題解決につながるデータ活用を実現していくとしている。
「simMachinesの」概要と特徴
「simMachines」は、Similarity Search(類似検索)の考えに基づく独自アルゴリズムにより、「予測」と「解釈性」の双方を兼ね備え、一貫したサービスとして提供するWebアプリケーション。
1. 汎用性の高い独自アルゴリズム
「simMachines」には、創業者でありSimilarity Searchの権威であるアーノルド・ミュラー博士が開発した独自のアルゴリズムが実装されており、大量のデータに対しても高速かつ高精度な分析を実行することが可能。
一般にディープラーニングやSimilarity Searchで用いられるアルゴリズムは、データに紐付く変数(次元)が増加するにつれて十分な学習結果が得られにくくなる、いわゆる「次元の呪い」と呼ばれる普遍的な課題を抱えている。
「simMachines」のアルゴリズムは、独自の計算手法によりこれを解決した世界でも類を見ない技術で、数千項目の変数を持つデータにも対応することができ、様々なデータ分析に汎用的に用いることが可能。
2. データレコード単位、値の範囲で根拠を把握
データ間の類似性を指標として持つ「simMachines」の予測アルゴリズムにより、データレコード単位、かつ値の範囲で予測の根拠を把握することができる。例えば、「列Xの値が0.4であるデータAは、0.1-0.5の範囲にあることが要因で結果Cにつながると類推される。つまり結果Cを回避するには、列Xが0.1未満または0.5超になるよう手を打てばよい」といった具体的な改善や施策につながる分析が可能となる。
3. ノンプログラミングで予測モデルを生成し、業務やRPA判断プロセスに組み込める
「simMachines」は、投入データをもとにノンプログラミングで予測モデルを生成する機能を備えている。予測モデルは生成されると同時にAPI化され、即座に業務システムやRPAなどに組み込むことができる。
ISIDではすでに、製造業の生産工程における特定事象発生の要因分析や、金融機関における与信結果分析など、業種業態を問わず様々な分野で複数の顧客企業とのPoC(概念実証)に着手している。今後さらに体制強化を図り、顧客企業と社会の課題解決に貢献していくという。