2017年は、縮小局面にあたったため前年比48.4%減の783億円
国内事業者データセンターの新設および増設投資は、拡大と縮小のサイクルを繰り返す。2017年は、縮小局面にあたったため前年比48.4%減の783億円だったが、2018年は東京都や大阪府で大規模な新設が予定されており、投資額は前年比91.8%増の1,502億円へ大幅増加となる見込み。
2019年になると、近畿地方を中心に大規模センター新設があるものの、2018年からの反動で新設投資は減少し、新設/増設投資は前年比14.7%減の1,281億円になる。その後も事業者データセンターの新設/増設投資は、拡大と縮小を繰り返すものの、クラウド向け大規模ファシリティの建設需要が投資拡大要因となり、2022年になっても新設投資額は1,290億円の規模を維持すると、IDCでは予測している。
クラウド向け需要では低コストかつスピーディーな建設/運用が重要
国内の事業者データセンター建設投資は、クラウドサービスプロバイダー向けの需要拡大が成長を牽引しているが、クラウド向けファシリティにおいては、建設/運用が低コストでスピーディーであることが求められる。
IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は、「従来、国内の事業者データセンターでは、災害対策などの可用性や堅牢性を重視するあまり、建設/運用が高コストになりがちであった。今後はクラウド向け需要に対応するための、低コストかつスピーディーなファシリティ建設/運用が重要になる」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内データセンターファシリティ市場予測、2018年~2022年」にその詳細が報告されている。レポートでは、事業者データセンターだけでなく、企業内データセンター(金融機関、官公庁、製造業、サービス業などの一般企業の社内サーバールームなど)についても、調査結果をまとめている。また、データセンター新設/増設のための投資の他に、既存データセンターファシリティの保守/更新のための支出についても予測データを掲載している。さらに投資額を、電気設備、空調設備、建築物などに細分化したデータも掲載している。