デロイトトーマツグループは、企業へのアンケート調査を元にまとめた、人事、経理・財務、情報システムといった間接機能の効率性を分析したレポートを、4月9日に発表した。
同調査によれば、企業における間接機能の比率は、参加企業全体の中位値で11.7%と、調査を開始した2012年の9.8%から1.19倍となり、過去最高となっている。直近の2016年調査における10.8%からは1.09倍で、現在も上昇傾向であることがわかる。
RPAに「一定の費用をかけている」と回答した企業は45.9%と、多くの企業で導入が進んでいる一方で、未導入の企業もまだ多い。また、チャットボットに費用を投じている企業は15.5%、クラウドワーカーの利用率は8.7%と、RPA以外のITツールや社外リソースは、さらに活用の余地があると想定される。
間接機能のうち、代表的な管理機能である「人事」「財務・経理」「情報システム」の従業員割合では、「人事」は8年前の約1.23倍となった一方で、人事の「戦略業務」を担う正社員比率は、中位値で5.3%、下位25%では2.2%に留まっており、先進的なグローバル企業における目標水準とされる20%とは大差がある。
「HRBP(HRビジネスパートナー)」と呼ばれる、事業部門の人事課題や解決策の提案機能を備えている企業は約18.1%存在するものの、1人あたり正社員数を見ると中位値で約210名だった。欧米企業を中心とした同種のベンチマーク調査における300~400名の約半数となる。
社員の年齢別構成比率のうち、60歳以上の人員割合は2.5%で、2016年(1.5%)の1.6倍と、全体の構成割合は低いものの、増加率は前年齢層の中でもっとも高い。再雇用者の契約更新限度年齢については、多くの企業で65歳を契約限度とする一方で、70歳を契約限度としている企業が13社(5.4%)存在し、75歳を契約限度としている企業もあった。