NECは、衛星搭載のSAR(Synthetic Aperture Radar)を用いたリモートセンシングとAI技術を組み合わせることで、橋の点検項目のうち、従来発見が困難であった「異常なたわみ」をミリ単位の精度で検知し、橋の崩落につながる重大損傷を発見する技術を開発したと発表した。
この技術は、衛星を利用したリモートセンシングで得られた変位データと橋の構造や気温の変化を独自AIに学習させることで、橋の変位予測モデルを作成する。このモデルを用いて点検期間にリモートセンシングで得られる変位データを分析し、重大事故につながる可能性のある垂れ下がりなどの異常なたわみを発見することができるという。
これにより、目視では気づきにくい程度の異常なたわみを複数の橋に対してまとめて検知することが可能になり、近接での目視点検が困難な河川・海・谷などに架かる橋の点検業務の効率化につながるとのこと。
同社はこの解析技術を強化し、2025年度を目標に橋の管理者や点検従事者向けの製品化を図るとともに、橋を含むインフラ施設管理全般のDX推進に取り組んでいくとしている。
【関連記事】
・NEC、5G OPEN RANシステムの設計・構築力強化のためアイルランド企業を子会社化へ
・NECとAVEVAが工場DX推進のための協業を発表 2026年度までに事業規模40億円を目指す
・NEC、AI解析で工場の指先作業を識別可能な技術を開発 2022年度中の事業化を目指す