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NEC、マルウェア感染対策として「軽量プログラム改ざん検知」搭載ローカル5G基地局装置の無線機を提供

 日本電気(以下、NEC)は、サイバー攻撃によるマルウェア感染に起因する不正プログラム実行やプログラム改ざんへの対策のため、稼働中の高速・低負荷な検査を実現したセキュリティソフトウェア「軽量プログラム改ざん検知」を、ローカル5G基地局装置の無線機(Radio Unit:以下、RU)に標準搭載し、10月から提供開始する。

 同ソフトウェアが搭載されたRUは、起動時や稼働中に発生したマルウェア感染による不正プログラム実行やプログラム改ざんを検知し、運用管理者に即時通知することで、遮断や復旧といった早急な対処が可能になるという。IT・ネットワーク機器へのサイバー攻撃は検知するまでに100日程度かかる(世界平均日数)といわれるが、同ソフトウェアが搭載された装置では即時検知が可能だとしている。

軽量プログラム改ざん検知の概要
[画像クリックで拡大表示]

 VPNFilterなどの代表的なマルウェアは、ネットワーク機器や制御機器に感染した後、脆弱性を悪用して機器内のプログラムを改ざんすることで、情報搾取、システム停止などの大きな被害をもたらす。また、様々な機器で利用が増えているOSS(Open Source Software)やオープンインタフェースには、バッファオーバーフローという脆弱性が潜在している可能性があるとのこと。これらへの対策として、NECは脆弱性が潜在する場合でもマルウェア感染・プログラム改ざんの対策ができる独自のセキュリティソフトウェア「軽量プログラム改ざん検知」を製品化したという。

 また、重要インフラや工場などの重要施設で利用されるローカル5G基地局装置がサイバー攻撃を受けると、社会基盤の停止といった重大な被害につながるという。こうした事態を回避・軽減するために、RUへ同ソフトウェアを標準装備し、セキュリティ強化を行った。

 特長は以下のとおり。

  • マルウェア感染による不正プログラム実行、プログラム改ざんを即時通知:プログラム起動時だけでなくRU稼働中でも、不正プログラム実行やプログラム改ざんが発生したことを、即時にローカル5G基地局の運用管理者に知らせる。これにより、運用管理者は早急に復旧などの対処ができるようになるという
  • 機器の動作を妨げない高速・低負荷な検査:プログラム起動時は高速、動作中は低負荷といった稼働状況に合わせた検査が可能なことから、長期間稼働し続け、通信処理のリアルタイム性能が要求される通信機器でも動作を妨げず、検知することが可能

 NECは今後、ローカル5G基地局装置における他の機器やUPFなどにも「軽量プログラム改ざん検知」を順次搭載し、ローカル5Gシステム全体のセキュリティ強化に寄与するという。また、検知後の対処は、今後マネージドサービスを提供していく予定だとしている。

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