SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZineニュース

AWS、3年目の「ITトランスフォーメーションパッケージ」に自信──ビックカメラなどがDXに全面採用

 2023年6月26日、アマゾン ウェブ サービス ジャパンは、「ITトランスフォーメーションパッケージ」に関する記者説明会を開催した。

 多くの分野においてAWSの採用が増えている中、システム移行などにおいて技術的課題・非技術的な課題が混在しているとして、同社執行役員 事業開発統括本部長を務める佐藤有紀子氏は「日本独自の取り組みとして、複数のプログラムから構成される『AWS ITトランスフォーメーションパッケージ(ITX)』を2021年から提供している。DXにおける大規模なマイグレーションという複雑かつ長期にわたるプロジェクトを早期に軌道に乗せられている」と話す。

 ITX提供から約2年間で170社以上が採用しており、2023年4月には最新版「AWS ITトランスフォーメーションパッケージ 2023 ファミリー(ITX 2023)」として提供されている。ITX 2023では、クラウド移行プロジェクトの支援はもちろん、アプリケーションのクラウドネイティブ化支援のパッケージ「ITX for Cloud Native」、パートナーとの連携を拡張した「ITX for MCP Partner」、中小規模向けに「ITX Lite」を追加して、よりニーズに沿った形で支援を続けていくという。

ITX for Cloud Firstのフロー図。クラウドエコノミクス(TCO評価)、CO2排出削減量の試算などサステナビリティを支援するプログラムも含まれている。
ITX for Cloud Firstのフロー図。クラウドエコノミクス(TCO評価)、CO2排出削減量の試算などサステナビリティを支援するプログラムも含まれている。

 佐藤氏は、下図のように3つのステージに分類されたクラウドジャーニーの道程を示すと、「リフト&シフトによる2ステップ、オンプレミスや他社クラウドからクラウドネイティブ環境に1ステップで移行するという大きく2つの選択肢がある。どちらが優れているということはないが、クラウドネイティブ化によりインフラコストの削減、生産性の向上など明確な効果が現れている」と話す。

 たとえば、「クラウド戦略策定ワークショップ(MSW:Modernization Strategy Workshop)」では、AWSにリホスト済のオープン系システムやマイグレーションを視野に入れた大規模システムなどが対象となり、約4週間にわたる「アーキテクチャ計画支援(MODA:Modernization Assessment)」などでサポートするという。なお、「ITX 2023 for MCP Partner」については、既にSCSKが複数社との検討段階に入っているとした。

クレジットなどを利用してコストを抑えた形での移行実施例
クレジットなどを利用してコストを抑えた形での移行実施例

 続いてビックカメラ 執行役員 デジタル戦略部長 野原昌崇氏が登壇すると、「メーカーと小売り、双方による複合寡占状態という閉鎖的な文化がある」とDXに踏み切った理由を説明。たとえば、ホームセンターやドラッグストアでは出店戦略が成否を握っている一方で、家電量販店だと販売員レベルが足りなければ売り上げが創出できない現状があるという。「他の小売業よりもDXが未開拓、だからこそDXが効きやすい」野原氏は指摘する。

 そこで同社は顧客起点のビジネスを再構築していくため、昨年「ビックカメラDX宣言」をリリース。DXにおいてAWSを全面採用し、システム内製化やOMO戦略、基幹システムのモダナイズなどに取り組むとしている。たとえば、下図のように来店から購入までのフローについて、クラウドだからこそのスケーラビリティ、柔軟性を活かしてアジャイルに仮説検証していけると話す。

 また、2023年秋にはAWS環境へと基幹システムのリフトが完了するとして、将来的には基幹システムを小さくしていき、物流など重点を置くべき部分などを充足する2ステップでの戦略を策定しているとした。

 会見の最後では、佐藤氏と野原氏が対談してAWS活用のメリットなどを意見交換。「クラウドの良いところは、すぐに始められて、直せて、止められるところ。どれだけ仮説検証を早く回せるかが鍵になってくる」と野原氏が述べると、佐藤氏は「システム移行後のオファリングなども用意しているため、ぜひクラウドネイティブ化に協力していきたい」と話して会見を終えた。

(左から)アマゾン ウェブ サービス ジャパン 執行役員 事業開発統括本部長 佐藤有紀子氏、ビックカメラ 執行役員 デジタル戦略部長 野原昌崇氏
(左から)アマゾン ウェブ サービス ジャパン 執行役員 事業開発統括本部長 佐藤有紀子氏
ビックカメラ 執行役員 デジタル戦略部長 野原昌崇氏

【関連記事】
AWS、「Amazon Security Lake」を一般提供 データ保護を強化へ
住友商事、グループ企業約900社のビジネス変革をAWSにより加速
インフォマティカ、AWS上で利用可能なAI搭載データマネジメントプラットフォームを日本で提供

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
この記事の著者

岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/news/detail/17963 2023/06/26 19:52

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング