2023年7月20日、TeamViewerジャパンは事業戦略に係る記者発表会を開催した。
冒頭、同社代表取締役 マネージング・ディレクターとして昨年就任した藤井一弘氏が登壇すると「セキュリティとパフォーマンスの高さから製品が広まっており、企業向けとして耐えうるような仕様にも対応することで戦略的提携を拡大している」と切り出すと、グローバルで約1,400名規模の社員数に膨らみ、2022年度には約5憶6600万ユーロの売り上げを上げていると自信を見せる。
デジタル化、DXが叫ばれる中で現場の働きやすさに目を向けたとき、いまだに成熟していないと指摘すると、同社ではコネクティビティを軸として“より働きやすい環境”を作り上げることを目指していると話す。SMB向けの売り上げをベースとしながらもエンタープライズ市場を開拓していきたいとして、セキュリティやUI/UXの強化などに取り組むことで「グローバルの勢いを追い越すほどのスピードで推進していく」と述べた。
また、物流2024年問題を例に挙げ、現場における課題が山積しているとして下図にある4つを事業戦略の柱として提示する。
たとえば、熟練度の低い従業員でもスマートグラスなどの端末を活用することでスムーズに従事させ、現場業務で発生したデータを蓄積して改善を施していく。倉庫・物流現場においても同社の保有するソリューションで徹底的に効率化を進めていけると強調する。また、パートナーエコシステムを継続して強化していくことはもちろん、日本法人におけるセールスチームを強化していくとして「お客様が抱える“本当のペイン”をどれだけ聞くことができるか。パートナーと一緒になって課題可決に挑むために拡充していきたい」と藤井氏。今後は、さらに日本発の事例を作って発信していきたいとした。
次に同社ビジネス開発部長 小宮崇博氏が登壇すると「グローバルでは、デジタル化に着手・完了しているという企業が80%を超えている。EPR/PLMへの投資が多数を占める一方で、リモートサポートソフトウェア導入やリモートアクセスの実現などへの投資は進んでいない現状も伺える」と同社によるグローバル調査結果を提示して指摘する。
TeamViewerでは、ハイブリッドワークへの対応、熟練労働者の不足、産業界のDXなどへの課題解決に係るニーズが高まっているとして、同社が持つソリューションに優位性があると小宮氏。韓国やイタリアなどでの事例を提示すると「日本でも同様のニーズがある一方、これまでは簡単に解決できなかった。しかし、TeamViewerなら解決できる」と強調した。