ZenmuTechは、矢野経済研究所の協力のもと、Virtual Desktop Infrastructure(VDI)利用企業のユーザーを対象に「VDIに関するアンケート調査」を実施した。
調査概要
- 調査対象:従業員規模1,000名以上のテレワークを実施するVDI利用企業において、テレワークの導入や計画作成、立案支援などに関わる400名
- 集計方法:Webアンケート調査
- 調査期間:2023年12月
ライセンス、サーバーなどのVDIを実施するためのコストは、情報通信に関わる年間費用のうち平均で約25%を占めているという。多いところでは50%以上を占める企業もあり、重要性を感じつつも、VDIのコストがIT費用を圧迫していることが伺えるとしている。
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企業内でのPCの盗難や紛失事故について、「3年程度に1度起きる」が27%、「毎年起きる程度にはある」が25%と、半数以上が毎年または3年に1度は発生していると回答した。
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ユーザーにVDIの課題を聞くと、「レスポンスが遅い」が50%で最も多く、次いで「通信環境が悪いときに困る」が40.5%、「アプリケーションに制限がかかる」が38.5%という結果になった。また、運用における課題では「サーバー管理」が40.3%、「仮想環境のソフトウェア管理」が36.5%となっており、VDI利用におけるパフォーマンスの悪さや運用管理の負荷といった課題が伺えるとしている。
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VDIの導入目的については、70%がセキュリティを挙げている。その一方で、VDI環境での盗難紛失時の認識について「セキュリティ面では、なんら不安視することはない」と回答したのは20%にとどまり、80%の企業がVDI環境におけるPCの盗難や紛失に対して不安を感じているとした。
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VDIで利用するPC端末に関して、シンクライアントが52%、FAT PCが22%、どちらも利用が22%という回答から、約4割はFAT PCを利用していることがわかる。またVDI製品・サービスを見直す際に、次に採用したい方式についての質問では「VDI方式」が45.8%と最も多く、次いで「リモートデスクトップ」31.8%、「セキュアなFAT PC方式」25.3%となった。
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