SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Security Online Day 2024 秋の陣

2024年9月25日(水)・26日(木)オンライン開催

EnterpriseZine Day Special

2024年10月16日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZineニュース

BlackBerryが観測した新たな脅威動向──2023年に急増したマルウェア「Amadey」とは?

 BlackBerry Japanは5月14日、最新の四半期版グローバル脅威インテリジェンスレポート(調査対象期間:2023年9月~12月)を発表した。

 同社の糟谷正樹氏(Cybersecurity事業本部脅威解析リサーチ部, APAC プリンシパルリサーチャー)は最初に、日本を含むアジア太平洋地域(APAC)の国々に対するユニークマルウェアを用いた攻撃が増加していることを明らかにした。BlackBerryのAI活用型サイバーセキュリティソリューションは、調査期間中に1分あたり3.7件の新しいマルウェアサンプルを阻止したという。これは、前調査期間の1分あたり2.9件に対し27%の増加となる。

[画像クリックで拡大]

 また、日本は経済規模やグローバルにおける立ち位置などから、攻撃者にとって魅力的な攻撃対象の一国となっており、世界で最も多く攻撃の対象となった国のトップ3にランクインしたと糟谷氏。今後は、北朝鮮が支援する脅威グループによる米国・韓国・日本への攻撃の増加や、悪意ある脅威アクターによるAIを活用した攻撃が拡大すると予測している。

 攻撃対象となった業界トップ3を見てみると、1位が金融、2位が医療、3位が政府機関という結果に。いずれの業界でも、情報搾取型のマルウェアによる攻撃が多く観測されたと糟谷氏は述べる。

 紛争の勃発による脅威アクターの動きも活発化している。ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエル-ハマス紛争により、各陣営への加勢を意図したサイバー攻撃が目立つようになったという。糟谷氏は、「物理的な衝突がデジタル空間にも影響を及ぼしている。その中で、ハマスを支持するハクティビストが使用したBiBi-Linux WiperのWindows版『BiBi-Windows Wiper』など、新たな脅威も確認されている」と説明した。

 よく利用されていたマルウェアの種類としては、情報搾取型、ローダ型、モジュール型が上位に。その中でも、情報搾取型とローダ型の特徴をあわせ持つ「Amadey」によるマルウェアのばらまきが急増しているという。Amadeyは2019年頃にその存在が確認されたが、当時はあまり被害が観測されず、珍しいマルウェアだったと糟谷氏。しかし、2021年になると次第に観測される件数が増加し、2023年では前年の数倍以上のばらまきが観測された。

[画像クリックで拡大]

 このように、初めはあまり注目されていなかった(あるいは軽視されていた)マルウェアが、数年の時を経て攻撃者に普及し、大きな脅威となる事例は今後も出てくる可能性が高いと糟谷氏は警鐘を鳴らす。ちなみにAmadeyによるばらまきは、多くの人が日常で利用するDiscordやBitbucket、Githubなどといったサービスを悪用して行われているようだ。

[画像クリックで拡大]

 今回の調査期間中に観測されたインシデントの元をたどってみると、不十分なネットワーク機器の管理が攻撃の起点となっているケースが非常に多かったという。セキュリティパッチの未適用や多要素認証の未利用、デフォルトパスワードの利用といった、基本的なセキュリティ対策を怠っている企業が未だに多く、それらを徹底するだけでも侵害のリスクを大幅に低減させることができると糟谷氏は念を押した。

【左】BlackBerry Japan株式会社 Cybersecurity事業本部脅威解析リサーチ部, APAC プリンシパルリサーチャー 糟谷正樹氏【右】BlackBerry Japan株式会社 Cybersecurity事業本部セールスエンジニアリング部 シニアマネージャー 池田企氏
【左】BlackBerry Japan株式会社 Cybersecurity事業本部脅威解析リサーチ部, APAC プリンシパルリサーチャー 糟谷正樹氏
【右】BlackBerry Japan株式会社 Cybersecurity事業本部セールスエンジニアリング部 シニアマネージャー 池田企氏

【関連記事】
BlackBerry、2024年は「AI/ML」を強化へ 生成AIによる解析情報の提供などを予定
新たなマルウェアによる1分あたりのサイバー攻撃数は13%増加──BlackBerry調査
日本企業の72%が職場での生成AI使用を禁止する方針と回答──BlackBerry調査

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)

2022年より「Biz/Zine」で取材・編集・執筆を担当。2024年4月にEnterpriseZine編集部に加入。AIやサイバーセキュリティ、データサイエンス等に携わる方、テクノロジーによる変革を牽引するCIOやCDO、CISOに向けた情報を発信します。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/news/detail/19685 2024/05/16 07:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング