2025年3月3日、滋賀県、西日本電信電話(NTT西日本)およびNTT西日本グループは、2024年度に「生成AI活用コンサルティングおよび検証業務」において、生成AIの活用検証を行ったと発表した。
同県では、デジタルツール全庁展開による業務改革をめざし、2023年度から生成AIの活用方針の策定や、生成AI(LoGoAIアシスタント)の試行導入などを実施。LoGoAIアシスタントの試行導入では620名の職員が利用し、アンケートの結果からスキル不足や適切な利用方法がわからないことが課題として挙げられたとのことだ。そこで、生成AIの特性を理解し、適切かつ効率的な活用ができるようにするため、以下の2つを目的として同業務を実施したという。
- 生成AIが得意/苦手とする分野の理解や効果的な使い方ができる実践スキルの育成
- 実現性の高い生成AI活用時の業務プロセス再設計・運用手法(精度向上手法など)の明確化
同業務では、1つ目の目的である実践スキル育成のため、座学の研修に加えハンズオン研修やワークショップなど、段階的にスキルアップできる育成コンテンツを実施。2つ目の目的達成に向けては、以下4つの事項を実施したとのことだ。
- 業務実態把握のための現状分析、課題整理
- 生成AI活用時の業務プロセス再設計、生成AIの精度面や機能面の要件定義
- 上記2点が機能するかのテスト、精度向上のためのチューニング対応
- テスト結果を踏まえて、職員目線で実現性が高い業務フローと運用手法の策定
同業務で得られた事例は以下のとおり。
議会答弁案の作成にかかる時間が6割減
情報検索から答弁案作成/修正までの各ステップの作業を生成AIワークフロー機能で完結。


案件振分け事務を自動化
生成AIとRPAをつなぎ合わせ、案件確認・担当者判断・メール文作成/送信までをすべて自動化。

2025年度以降は、生成AI利用時の業務フロー/運用フローを活用しながら、生成AIの活用組織および活用業務を広げるとしている。
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