米国時間2026年6月10日、Zscalerは、2026年版ThreatLabzフィッシングと初期アクセスに関するレポートを発表した。
同調査によると、攻撃者は多要素認証(MFA)を回避するために、AIを活用した「テキストからサイト生成」ツールやリアルタイムのセッションハイジャックキットをより活用している。特に重要なのは、攻撃者がこれらのキャンペーンを徹底的に隠蔽しており、フィッシング攻撃の95.2%が暗号化されたトラフィック内に潜んで、従来のセキュリティ スタックを迂回しているという点とのことだ。加えて、新たに公開されたデセプションテレメトリーによると、攻撃者は最初の侵害が発生するずっと前から、企業のIDやコラボレーションプラットフォームを積極的にスキャンし、探査していることが明らかになったという。
ThreatLabzは、生成AIによって生成された413,524件のサイトインスタンスを特定し、そのうち10%近くが明示的に悪意のあるものと判定されたとしている。Manus AI、Blackbox AI、Lovable AIといったツールが武器化され、以前は手作業による開発に数日かかっていたようなフィッシングポータルを、数分で立ち上げることに利用されているとのことだ。
サービス業界はこの変化の矢面に立たされ、攻撃者が請求、オンボーディング、サポート契約の更新といった信頼に基づくやり取りを悪用した結果、攻撃件数が前年比65.5%急増したという。
なお、日本は暗号化された攻撃の標的国ランキングで世界第9位となった。また、日本を標的としたフィッシング試行件数は1567万855件に達し、アジア太平洋地域全体の10.84%を占めているとのことだ。その他の主な調査結果は以下のとおり。
- 世界的な動向:米国は依然としてメールフィッシング攻撃の主要な標的であり続けている。ブラジルではフィッシングホスティングが2,522%急増し、世界トップ5の発信地となった
- 業界別内訳:製造業と政府機関は依然として電子メールによるフィッシング攻撃の主要な標的であり、攻撃者が高価値な機密情報を狙う中、政府機関への攻撃件数は50%増加した
- 認証情報窃取のトレンド:MicrosoftとGoogleはフィッシング攻撃で最も模倣されるブランドであり、企業のIDシステムを侵害することに引き続き焦点が当てられている
- 検知回避:暗号化は今やサイバー犯罪者にとって標準的手法となっており、悪意のある活動の87%がHTTPS経由で配信されている
- 敵対的なスキャン活動:攻撃者は偵察のために正規のクラウド インフラストラクチャーを活用しており、121,000件以上のユニークなパブリッククラウドホスト型IPを使用して環境を調査している
そのほか、ゼットスケーラーのテレメトリー データによると、137万件の異なる攻撃元IPアドレスから約9000万件の敵対的なインタラクションが捕捉されたという。このデータは、攻撃者がコラボレーションおよびIDプラットフォームを積極的に探査し、弱点を見つけ出そうとしていること、また、どのような防御策が有効かという仮説を検証していることを裏付けているとのことだ。
調査方法
同レポートは、2025年1月から12月にかけて収集されたデータに基づき、2025年10月から2026年3月にかけて観測されたデセプションテレメトリーのデータで補完されている。
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