マイクロソフトは、4月16日(米国時間)から、パブリッククラウドサービスである「Windows Azure」の「インフラストラクチャサービス」の正式運用を開始した。インフラストラクチャサービスには、昨年からプレビュー版として提供していた、ユーザーがハードウェアやネットワークなどのインフラをインターネット上のサービスとして利用できるIaaSの「Windows Azure 仮想マシン」や、企業などのイントラネットと「Windows Azure」をより安全に接続する「Windows Azure 仮想ネットワーク」などが含まれるという。
今回の機能拡張により、ユーザーが、「Windows Azure」をより幅広い用途で利用しやすくなったことから、日本マイクロソフトでは、「Windows Azure」の料金の値下げやパートナー支援プログラムの拡充なども併せて実施し、パートナー企業とともに、既存システムなどのクラウド化をより一層推進していくとしている。
2010年2月に商用サービスを開始した「Windows Azure」では、これまでPaaSを中心に提供してきたことから、初期投資を抑えて新規事業やプロジェクトを立ち上げる際のインフラとしての利用や、Webページへの短期間のアクセス集中に備えた利用などの用途で多く活用されてきたという。
今回、新たにIaaSの提供することで、企業や団体の既存システムやパッケージソフト等を「Windows Azure」上で展開することが容易になり、クラウドの活用・移行が今後さらに加速することが期待されるとしている。国内45社のパートナー企業は、「Windows Azure 仮想マシン/仮想ネットワーク」への対応を表明しているという。
発表によると、「インフラストラクチャサービス」の代表的な新機能は次のとおり。
・Windows Azure 仮想マシン
「Windows Azure」のコンピューティングの1つで、仮想化されたサーバーオペレーティングシステムを実行する機能。仮想マシンで実行できるOSは、Microsoft Windows Server だけでなく、Ubuntu、openSUSE、SUSE Linux、Cent OSなどのLinux も含まれる。仮想化技術は、Microsoft Hyper-Vをベースとしており、仮想ディスクのイメージファイル(VHD)に互換性があるため、オンプレミスのHyper-Vで動作している仮想マシンのVHDベースのディスクイメージを、Windows Azureにそのまま移動し実行可能。
・Windows Azure 仮想ネットワーク
「Windows Azure」上で仮想プライベートネットワーク (VPN) を提供し、イントラネットとの安全な接続を管理。仮想ネットワークを使用して、IT管理者はDNSや仮想マシンのIPアドレス範囲の構成などのネットワーク接続を制御しながら、イントラネットをクラウドに拡張できるため、Windows Azure 仮想マシンを利用したサーバーの増強や、オンプレミスとクラウドのハイブリッドソリューションを構築可能。
・メモリ集中型インスタンス
リレーショナルデータベースや、Microsoft SharePoint Serverなど、大容量メモリを必要とするサーバーアプリケーションを実行するためのサーバーインスタンスで、1インスタンスあたり最大56GBのメモリを搭載。
なお、日本マイクロソフトは、4月17日からLinuxインスタンス、PaaSの利用料金を値下げするという。
■ニュースリリース
http://www.microsoft.com/ja-jp/news/130417_azure.aspx