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国内企業のIT人材、IT部門以外のIT人材育成の必要性に認識が高まる――IDCが分析結果発表

業務部門のDX関与がますます強まっていくことを示唆

 DXとは、デジタル技術、データを活用してビジネスの変革を行うことであり、IT部門と業務部門の協業に基づく全社的な取り組みが必須となる。その場合、IT部門が自社ビジネスを理解したり、変革方法を学んだりすると同時に、業務部門がデジタル技術をどのように自らの業務変革に結び付けるかの知識も必要となる。

 IDCでは、今回正社員数300人以上の国内企業のIT部門マネージャー、および非IT部門マネージャーの計434人に、DXに向けた社内IT人材の状況や課題などについてのアンケート調査と、5名に対して直接取材を行った。

 これによると、IT部門においては71.0%、業務部門においても51.0%の回答者が、業務部門においても「新たなデジタル技術の概要教育が必要」または「新たなデジタル技術を、業務部門で導入できる程度まで教育が必要」と回答しており、いずれも回答者の半数を上回った。

 業務部門におけるデジタル技術、新たなIT教育の必要性が企業全体で感じられていることがわかったが、さらに両部門とも「概要教育が必要」と回答した割合(IT部門で32.1%、業務部門で21.0%)よりも「業務部門側で導入できる程度まで教育が必要」とした割合が高かった(IT部門で38.9%、業務部門で30.0%)ことは興味深い結果だ。今後、ますます業務部門のDX関与が強まっていくことを示唆している。

IT部門では既存システム担当者とDX担当者との間でモチベーションの二極化

 一方、IT部門の中には「IT部門人材が既存システムの開発、運用で多忙なため、新しいことを行う時間がない」ことを、課題に挙げた回答者も多く存在する。IT部門マネージャーを対象に行った取材においては、社内のIT部門で「既存システムを担当する人材」と「DXプロジェクトに関わる人材」の間で、モチベーションの二極化が進んでいるといった回答が見られた。DXを成功に導くためには、既存システムを担当しているIT部門人材の再活性化も必要となるとIDCではみている。

 今後、DXが企業内で本格的に進められていく中で、ビジネスを理解したIT部門と、ITを理解した業務部門との協業が組織の成功の鍵になるとIDCではみている。IDC Japan リサーチ第3ユニット グループディレクターの寄藤幸治氏は「顧客企業のDX実現のために、ベンダー、SIerは人材育成の面からも支援するべきである。そのためには、IT部門における新たなデジタル技術へのスキル転換、業務部門におけるDX教育プログラムの提供を行っていく必要がある」と述べている。

参考資料:業務部門(非IT部門)のIT教育の必要性(作成:IDC Japan)
[問. IT部門以外の社員に対するIT教育の必要性の有無をどのように考えますか。]

 今回の発表は、IDCが発行したレポート「2017年 国内企業における人材育成の現状:デジタルトランスフォーメーションを支える社内IT人材」にその詳細が報告されている。

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