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Oracle Cloudならではの活用法からおすすめポイントまで アシスト関氏とオラクル小田氏を交えて

移行時のコツ、国内データセンターや「at Customer」のおすすめどころ

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谷川:PaaSで改善してほしいというところはありますか?

関:リーズナブルに使えるRACがあるといいですね。PaaSだとEnterprise Edition - Extreme Performanceという上位エディションでしかRACを使えなかったりします。

小田:それならユニバーサルクレジットを検討してみてください。もしかしたらEEのRACが組めてしまうかもしれません。あとクラウドではインスタンスが落ちても別のマシンにスイッチします。RACほどではないにせよ一定の可用性があり、これで十分な場合もあります。可用性要件を洗い直すことをおすすめします。

谷川:PaaSの推奨事項や成功パターンはありますか?

関:お客さまが何をしたかったか明確だと成功しやすいです。「この機能を使いたかったけど、今までライセンスの関係で使えなかった」など。ハードウェアの部品交換や障害対応など「今まで人手でやっていたがクラウドで不要にしたい」。そういうのが見えていると成功しやすいです。

小田:SaaSを活かしつつだとPaaS、IaaSは面白いかなと思います。SaaSはサービスとして買うのでいじれないけど運用面で良さはある。必要な機能を考えるとPaaS、IaaSを使わざるを得ないこともありますが、オラクルだと連携しやすいです。例えばID連携とか、ある程度の組み合わせは想定されていますので。

谷川:あとデータ移行。オンプレで業務システムを稼働していて、Autonomous Databaseのデータウェアハウスサービスを使おうとしたら、まずはデータ移行が課題になると思います。

関:データだけではなく、バージョンもケアする必要があります。データは一度に移行もできますし、Golden Gateを使うこともできます。最近ではデータ移行はユーザーさんだけでできてしまうこともあり、それだけカジュアルになってきたと思います。後は(処理にかかる)時間ですね。

谷川:バージョンを合わせなくてはいけないとは?

関:ユーザーさんが今どのバージョンを使ってるのかをアシストで調べました。ダントツで11g R2です。 2020年までサポート(Extended Support)があるので。

DBバージョンのリアル
DBバージョンのリアル

谷川:先ほどの話だと11g R2なら18cにあげられるというので、ほとんどのケースは大丈夫ですね。

小田:バージョンやOSで「これでなくてはいけない」要件があれば、早めに確認する必要があります。後で言われても困ってしまいますので。

谷川:そういうことがあるんですね。まだ純粋ではありませんが、日本にもオラクルのデータセンターができました。さらに先週、オラクルは「時期は未定」としながらも改めて国内にデータセンターを作ると発表しました。期待できますね。

関:この中でオラクルの国内データセンターを試した方はいますか?いない?ぜひ使ってみていただきたいです。IO周りの性能とかいいです。試していただけると実感できると思います。

谷川:国内データセンターについて、小田さんからのおすすめはありますか?

小田:富士通さんとの協業であること、太平洋を越えることがないので当然近くてレスポンスが違うこと、データを国内におけるのでお客さまの会社のルールをパスできることです。新しいデータセンターはいつから利用可能か決まっていませんので、今使えるものをどんどん使っていただきたいです。開発環境はもちろん、本番環境で使われてる方もいます。

谷川:これまで色々と話してきて、クラウドはデータベースを動かす場所として問題ないかなと感じてきています。今後どういう風に発展して欲しいでしょうか。

関:18cやAutonomous Databaseと関連して、既存のデータベースの移行しやすさが重要かと思います。他のデータベースやクラウドサービスからの移行ツールがあるといいですね。他のクラウドベンダーが力を入れてるところなので。期待しています。

谷川:あったら使ってみたいですか?

関:本当に持ってこれるのか確認したいです。

谷川:小田さんは?こういうところが面白くなりそうだとか。

小田:SaaS、PaaS、IaaSの組み合わせを段階的に進められるところがクラウドならではと思います。日本の新しいデータセンターも含めて、品数が増え、構成パターンも増え、オラクルならではの世界や価値が出せると楽しみにしています。

谷川:Oracle Cloudでお勧めはありますか。

関:Oracle Cloudのいいところは、行くだけではなく、戻ることもできます。オラクルだとライセンスを保有しているお客さんが多くいます。クラウドのPaaSにライセンスを持ち込んで使ってみて、問題があれば戻ることもできます。まだ戻った事例を聞いたことがありませんが、道が用意されてるのは安心材料になると思います。

谷川:今日はあまり話題にしていませんが、オラクルのクラウドだと「Oracle Cloud at Customer」もありますよね。それも含めておすすめを教えてください。

小田:確かに「Oracle Cloud at Customer」は話してなかったですね。大手のお客様で、「統合基盤を検討していて、でも自分のデータセンターからは出したくない」ところからの引き合いが多いです。クラウドのソフトウェアを使いつつ、お客様のところで稼働できるところがおすすめです。

谷川:ただ「Oracle Cloud at Customer」はお金がかかるイメージがあります。一概には言えないと思いますが、規模感としてどのくらいが適切でしょうか。

小田:売り方のモデルを見ればわかると思いますが、Exadataのモデルに近い体系があるので、Exadataを使う規模感とイメージしていいかと思います。サーバー数が100以上など数が多いところ、あるいは大きなデータベースを使うところもあります。

谷川:パブリッククラウドと似た使い方ができると考えていいですか。

関:感覚的には同じです。

谷川:先にパブリッククラウドで慣れておいて、本番環境は「Oracle Cloud at Customer」というのもありでしょうか。

小田:ありです。お客さまの環境でOracle Cloudを動かすので、サービス的な発想が必要になります。Exadataとはちょっと違います。パブリッククラウドを先に経験しておくと考えがつかめると思います。特に技術者は取り組むべきだと思うので、試してみてもらいたいと思います。

谷川:会場の皆さんもぜひ使ってみてください。文句も含めてフィードバックをオラクルにあげて、手が足りなければアシストさんに頼むのもいいでしょう。これでお話を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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