大量の情報を取り扱う「情報システム」
情報システムとは、その名の通り情報を扱う仕組みのことです。業務活動や日常生活ではさまざまな情報を使用しますが、情報システムにより、大量の情報を効率よく取り扱えます。
情報システムは入力されたデータに対し何らかの処理を行い、結果を出力します。例えば、お店の営業時間や場所などの情報を検索する場合、店名を入力し、検索処理を行い、お店の詳細情報を結果として出力します。この入力→処理→出力はコンピュータが行います。コンピュータは、パソコンやサーバ機、さらにスマートフォンなどが含まれます。お店の情報を検索する処理の場合、手元のパソコンでは入力と出力を行い、検索処理は企業が管理するサーバ機で行われます。パソコンとサーバ機はネットワークで接続されます。
つまり、処理を行うコンピュータと、コンピュータ同士をつなぐネットワークにより、情報システムは構成されます。コンピュータもネットワークも、さまざまな部品や仕組みによって構成されています。以降はそれぞれの構成要素を解説します。
コンピュータを構成するハードウェアとソフトウェア
まず、コンピュータですが、パソコンを想定します。コンピュータは大きく「ハードウェア」と「ソフトウェア」で構成されています。 ハードウェアとは物理的な装置のことです。マウスやキーボード、ディスプレイなど外から見える装置や、CPU、メインメモリ、ハードディスクなどコンピュータの外側から見えない装置もあります。ハードウェアは、それ単体では動作できず、動作するための命令(プログラム)を与える必要があります。この命令(プログラム)を含むものが「ソフトウェア」です。 ソフトウェアにはいくつか種類があり、「OS」や「アプリケーション」、そして「データベース」があります。
アプリケーションは、ある目的を遂行するためのソフトウェアです。たとえば、文書を作成する、Webページを検索する、ゲームをする……など、利用したことがあるアプリケーションをイメージしてください。情報システムでは、顧客情報を管理するアプリケーション、お店の検索や予約を行うといったある特定用途に作られたアプリケーションなども存在します。 アプリケーションはハードウェア上で動作します。アプリケーションは、やりたいことに応じてインストールします。1台のコンピュータ上で動作している複数のアプリケーションはCPUやメモリといったハードウェアを共有して使用していますが、多くのアプリケーションを動作させるためにはこれらの交通整理をしなければなりません。そこで、OSというソフトウェアが必要になります。OSはハードウェアを管理し、アプリケーションとハードウェアを仲介する役割があります。
たとえば文書作成アプリケーションを2つ起動し、報告書や企画書を作成しているとします。文書の保存処理はハードディスクに対して行われます。仮にOSが存在しない場合、ハードディスク上の領域を管理する役割がいないため、同じ領域に対して文書が保存される可能性があります。その場合、いずれかの文書は上書きにより消えてしまいます。OSが存在することで、このような問題を回避できます。2つの文書作成アプリケーションで保存処理を行う場合、その依頼をOSが受け付けます。OSはハードディスク上の領域を管理するため、領域が重ならないよう、2つ文書を確実に保存することができます。