オートノマス(自律)の力でエンタープライズで使えるクラウドを世界中に提供していく――Innovation Summit Tokyo 2018基調講演
日本でのリリースが待たれるエンタープライズ向けクラウド基盤製品
最後に登壇した、米オラクルのローレント・ジル氏(Oracle Cloud Infrastructure製品戦略アーキテクト兼エバンジェリスト)は、同社のエンタープライズ向けクラウド基盤製品「Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)」について説明した。

一般に、エンタープライズでのクラウド利用における課題としては、セキュリティやクラウド管理に伴うコスト、リソースや専門知識の不足などが挙げられる。ジル氏はこの点を指摘した上で、「オラクルは18以上の地域であらゆるエンタープライズアプリケーションとワークロードを安全に実行できるクラウドを提供しています」と強調。さらに「安定したパフォーマンスといったオンプレミスの利点と、キャパシティの追加が容易に行えるといったパブリッククラウドの利点を併せ持つもの」として、OCIの優位性を次のようにアピールした。
「1つ目はセキュアであること。つまりユーザーが持っているすべてのアプリケーションを、変更を加えることなくそのままの形でクラウド上で運用できることが重要です。2つ目はコストの予測可能性を重視していること。請求される金額を月末になって初めて知るようではいけないのです。3つ目はパフォーマンスを重視していること。ユーザーがクリティカルなアプリケーションをOCI上で運用する場合でも、常に同じレベルのパフォーマンスを発揮できなければなりません。最後に、総合的なコントロールを重視していること。いろいろなツールを使しながらコンプライアンスを遵守しなければなりません」(ジル氏)

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このOCIに関しては現状、欧州に2箇所、米国に2箇所の計4箇所にOCIの全スタック(コンピュート、ストレージ、ネットワーク)を備えたデータセンターが設置されているが、「極めて近い将来」(ジル氏)、日本を含む世界中の地域に同様のデータセンターを展開していく予定だという。

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さらにジル氏はセッションの後半で、企業の多くがオラクル以外のクラウドサービスを利用していることに触れ、「GoogleやAWS(Amazon Web Services)などを利用しているユーザーはたくさんいます。その方々にはそのまま使い続けることを促しています。オラクルは他のクラウドサービスと連携可能なさまざまな機能を提供しています。ユーザーの投資を無駄にすることは決してありません」と述べた。
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八鍬 悟志(ヤクワ サトシ)
都内の出版社に12年勤めたのちフリーランス・ライターへ。得意ジャンルは労働者の実像に迫るルポルタージュと国内外の紀行文。特にヒンドゥ教の修行僧であるサドゥを追いかけたルポルタージュと、八重山諸島を描いた紀行文には定評がある。20年かけて日本百名山の制覇を目指しているほか、国内外を走るサイクリストとし...
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