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data tech 2018 講演レポート

AIやIoT活用で私たちの生活はこう変わる――パナソニックが挑む「くらしアップデート」

 2018年、パナソニックは創業100周年を迎えた。社長 津賀一宏氏は「人の幸福から離れて生き残る会社はない」と人の幸福に着目し、「くらしアップデート」を掲げている。具体的には「くらしの統合プラットフォーム HomeX」として、イノベーションの基盤が本格始動している。新しい取り組みではどのようにデータを活用しているのか、詳細を同社 島田伊三男氏が解説した。

AIにデザインシンキング。提案はタイミングと共感が大事

 データ活用に限らず、顧客に価値ある提案をするには顧客が気づいていない要望を発掘することが重要だ。顧客に「何か困っていませんか?」と漠然と質問しても「特にない。それより安くして」と言われてしまうのがオチだ。しかし顧客に本当に役立つ情報に狙いを定めて収集し、顧客の立場を共感した上で新しい製品やサービスを提案すれば「こんなん待っとったんや」と歓迎してもらえる。データ分析でも同じことがいえる。

パナソニック株式会社 新規事業推進部門 新規事業開発担当 上席主幹 (兼)ビジネスイノベーション本部 事業開発センター 所長 島田 伊三男氏
1987年大阪大学を卒業後、松下電器産業(株)に入社、以来24年間パナソニックのパソコン事業の技術、市場開発(企画、マーケティング)を通じて、ビジネスモバイルパソコン レッツノートの事業化などを担当。その後、AV事業部門、デバイス事業部門の新規事業の立上げを担当の後、パナソニック セキュリティシステム事業部長として、監視カメラの映像情報を利活用する事業の立上げを推進した後、2018年より本社イノベーション推進部門でデータを利活用した新規事業の立上げを担当。

 例えば洗濯で「どろんこ汚れが落ちない」と悩みを抱えている生活者がいたとする。洗濯していない時に洗剤の広告を見ても、洗剤の購入にはあまりつながらない。しかし洗濯後「どろんこ汚れが落ちない」と困っている瞬間に「こんな泥汚れならこの洗剤が効果的です」と提案すれば、購入の強い後押しになりうる。洗濯機に搭載した何らかのセンサーから廃液や洗濯物を分析できれば、そうした提案が実現できるかもしれない。島田氏は「困っているモーメントをとらえること。データ活用はタイミングも大切」と強調する。  

 デザインシンキングの手法を採り入れつつも、日本的な文化に根ざした製品開発をしているのがパナソニックらしいところ。島田氏は「日本人は昔から近所のくらしのアップデートを(電気屋や酒屋などの)ヒトが実現してきました。これからは機械(AIやIoT)が人間のように共感しはじめます。私たちは日本的な人のつながりのような、人を活かすAIやIoTを産み出します」と説明する。

出所:出所:パナソニック株式会社 datatech2018 講演資料より[画像クリックで拡大表示]

 特徴はデータの収集方法だ。一般的なビッグデータ活用ではデータは「とにかく集める」のが主流で、不要なものから宝物となる希少なデータを発掘するような感覚だ。しかし、それでは非効率であり、データ保管にコストもかかってしまう。しかしパナソニックでは必要なデータに狙いを定めて取得しようとしている。

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必要なデータのみ取得する AI Sensing

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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